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日本一「街路樹」にやさしい都市・仙台市へ

みなさん、おはこんばんちは。
無会派「グリーンな国分寺」の鈴木ちひろです。

街路樹政策の先進都市である「杜の都」仙台市へ行ってきました。

有名な定禅寺通りをはじめとする街路樹や、市役所の「百年の杜推進課」を視察しました。


まちなかの街路樹たち、いつの間にか伐採されていたり、ものすごく強く剪定(強剪定)されていたりすることってありませんか。
わたしも含め、たくさんの市民の方から、「木を伐採しないでほしい」「緑を残してほしい」と声をいただいています。

強剪定された西町緑地の街路樹(2024.8.14)

また、街路樹の根元が狭すぎて、コンクリートを持ち上げてしまう「根上がり」が起こしているケースもよく見ます。

銀座
小平
国分寺
千代田区


これからは「樹冠被覆率」の時代


ヨーロッパやオーストラリアで主流になりつつある「樹冠被覆率」という考え方があります。

「ある土地の面積に対して 枝や葉が茂っている部分の割合のこと」で、実際には上空からの写真を撮って、そこから枝や葉が茂っている部分の割合を算出するものです。
都市の街路樹の枝葉を大きく育てることで、緑のトンネルのようにして、真夏でも木陰の下を歩けるようにする考え方であり、気候危機対策のひとつとしても、樹木によるリラックス効果や、生き物の棲家をつくる方法としても、注目されています。

国分寺でも「樹冠被覆率」の考え方を広めるため、街路樹の先進都市である仙台市からヒントを学びたいと思い、行ってきました。

どうして仙台市は「杜の都」になったのか

仙台市では、都市でもみどり豊かなまち並みを守るために、大きく街路樹を育てて、夏でも涼しく歩きやすくなっています。

伊達政宗の時代から、飢饉などに備えて城下町の屋敷林(果樹)が奨励されたことで、杜の都
としての取り組みがスタートし、その後戦災で焼け野原となった仙台市中心部に再び、植林の取
り組みを行なった仙台市。

高度経済成長による市街地の拡大で減少するみどりを守るため、1973年には「杜の都の環境をつくる条例」を制定しました。

現在は、物質的な豊かさから、持続可能な社会への転換、地球環境の保全という新たな視点も加わり、みどりの普及が強化されています。

街路樹の管理は?

年間約10億円をかけ、街路樹全体の管理をしつつ、仙台市役所では造園職の専門職員が中心となって年に2回の講習会を実施することで、剪定技術の継承に力を入れているようです。
国分寺市を含む多くの自治体では、街路樹管理は道路等を担当する課が担うことも多く(そもそも土木職はいるが造園職はいないケースあり)、街路樹を「道路の付属物」と認識する傾向があります。


しかし、仙台市では街路樹を長期的に大きく育てることでヒートアイランドの緩和をすることから公共の福祉として位置付けていることや、まちの特色・文化としていることで、地域住民の理解を得ていて、協働で街路樹を守る共通認識ができているようでした。

名物「定禅寺通り」の将来ビジョン


名物の定禅寺通りは、仙台市中心部に配置された6つの重要幹線街路の一つであり、中央部に幅12mの緑地帯を有する全幅46mの広幅員の道路です。

定禅寺通り
定禅寺通り中央の緑地帯


中央に緑地帯があることで、ベンチや銅像を置き、木陰の下で市民がリラックスしていました。道路の真ん中でひとが集まって交流できる場を生み出しているなんて、なんともうらやましい限り。

また、定禅寺ストリートジャズフェスティバルや、SENDAI光のページェント、仙台みちのくYOSAKOIまつりのイベントに加え、歩道空間の一部にテーブルセットを継続的に設置し、年に数回ずつマルシェも実施しながら、将来的な日常化・常設化に向けた検証を進めています。

それにより、道路空間利活用への機運が高まるとともに、人々の交流が生まれ、親子連れなどによる 日常的な利用もみられます。
また、地域住民による定禅寺通りの愛着も非常に大きいこともわかりました。

これまで、市民参加で未来の定禅寺通りの姿を検討してきており、今後は、片側3車線ずつの計6車線のうち、片側1車線を削減し、歩道と自転車道を拡充する計画が決まっています。

猛暑の夏でもまちを歩行することができ、交流の場であり続けられるような将来的なビジョンを持っていることがわかりました。

https://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2022data/2204/
2204jozenji_sendai_city.pdf

街路樹を大きく育てる国分寺に

国分寺市でも、今ある街路樹を大きく育てることで、将来的に猛暑でも木陰のなかを歩くことが
できるまちになる可能性もあるのではないでしょうか。
仙台市にできて、国分寺市にできないことはありません。
参考になる取り組みを学ぶことができました。

日本でも「樹冠被覆率(じゅかんひふくりつ)」を増やす考えを広めたいし、学んだことを国分寺市に生かしたいと思います!

ちなみに・・・
国分寺市議会議員は、議員としての活動費(=政務活動費)が年間24万円支給され、研修費や、書籍購入費などに充てられます。
わたしは今回、この政務活動費を使って、仙台市まで街路樹政策を学びに行ってきました。

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