どうして。

ねぇ、どうして生まれてきちゃったんだと思う？

よくある反発に過ぎないと思うけどさぁ、産んでなんて頼んでないよって、そう叫びたくなっちゃう。どうして？どうして生きなくちゃいけないの。どうして勝手に産み落とされたこの身体と、一生付き合っていかないといけないの。どうしてこんなに苦しいの。どうしていのちの電話は繋がらないの。あなたのいばしょもお悩み相談ダイヤルも役になんて立たなかったよ。大丈夫大丈夫って、気持ちの悪い大人は言うけれど。苦しくても大丈夫だった人が、今大人になっているだけでしょ。本当に大丈夫じゃなかった人なんて、もうこの世にはいないじゃん。

どうして？どうしてなんだろう。今ここに私がいるのは。

父がずっと入院していて、もうしばらく会ってない。母も仕事ばかりだし、妹とも話さない。ずっとひとり。教室の中でも耳栓をしている。孤独。本当に、ずっとひとりで空を眺めている。どうして？どうしてどうしてどうしてって、そんな呟きばかり吐き散らかして。誰の得にもならない文章を、だらだらと書き綴ってる。

どうして私は、こんな文章を書いているんだろう。証明のためかな、私が生きた人生の。何かを残したかったのかな。何者かになりたかったのかな。どうしてだろう。わかんない。小説は誰かに届けるために書いているつもりだけれど、こんな文章誰も必要としていないしな。

どうして生きなくちゃいけないの。ねぇ、ねぇ、ねぇ。誰か答えて。どうしてこんなに生きづらいのに、世界はこんなに死にづらいの。ねぇ。どうして。生まれた時代も環境も選べなくて、それなのに必死で生きろっていうの？理由はどこにもないの？なんで？神様がそうしたから？じゃあどこにいるんだよ、その神様は。自然の条理だって、誰にも変えられないって、そんなこと知ってるけどさぁ。

あぁ、もう、どうしよう。どうか見捨てないで。ごめんね全部私が悪いの。ただ息吸ってるだけで精一杯な、私が悪い。ごめんなさい。生まれてきちゃってごめんなさい。人並みに生きられない社不はいらない？何も頑張れないなら生きている価値なんてない？そうだよね。わかった。じゃあどうすればいい？生きてるだけで迷惑なのに死のうとしても迷惑だなんておかしくない？どうせ未遂したらそう言われるんでしょ？辛そうにしていたって、大丈夫だよってそれだけ言って、その先は何もしてくれないんでしょ？ずっと隠してきたのに。心配してるもそばにいるよもその時だけの言葉で、きっとみんなすぐいなくなっちゃうんでしょ？気がついた時にはもっとずっと遠くを歩いているんでしょ？日のあたる坂道を、みんなで肩を並べてるんだ。生きてるだけで辛い私は、その背中を見ながら、水溜りで足を濡らすだけ。

あぁ、でも、本当は。やっぱり、違うかもしれない。ごめんなさい。本当は、私の近くに優しい人はいます。大好きな人ばかりです。私が心から、その人たちを信じられないだけです。私が全部悪いです。ごめんなさい。

もうわからないです。何もかもわからない。全部手放して、微笑みながら消えたいです。誰か殺してくれないかな。それか一緒に海に行こう。やわらかく降り注ぐ陽の光を浴びて、好きな曲でも聴いて歩こう。やっぱり、それがいいな。

きっとそんなの叶わない夢にすぎなくて、こんな私には無理なんだろうな。

生きててごめんね。