虫さん
晩に
千切りキャベツの上に
小さい小さい
虫さん
さっきは四角いテーブルの辺りで見た
ふうわり
多分 飛んできた
お皿の上の
千切りキャベツの上に
かすかな線の
集まりのよう
消えそうなくらい
誰が描いたのか
薄い墨でできているのか
重さはあるのか
私の問いかけを待たず
虫さんは
次へ飛んだ
動いている虫さん
機械仕掛けなどではなく
ただ一つの
静かな 生命
誰の妨げ(さまた−げ)も
うけなくていい
虫さん
かすかな
線の集まりのような
小さい小さい生命を
またたかせている
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