悩める新人ケアマネに問いかけること3つ
おはようございます、ちはるです。
ケアマネとしてそこそこの経験年数になったので(主任ケアマネという、ケアマネの上位資格ももっています)、新人のケアマネや経験が浅いケアマネに指導することも多く、困ったことがあると相談を受けたりすることがあります。
「ケアマネとしてどう支援すべきか分からない」「利用者やその家族、関係機関とのやり取りに悩んでいる」など、新人ケアマネは日々立ち止まることが多いと思うのですが、私が指導したり、相談を受けたときに返す問いかけは主に3つ。
それで大抵のことは解決したりするので、その3つの問いをシェアしてみたいと思います。
①困っているのは誰?
以前も記事にしたことがあるのですが、「そもそも誰が困っているの?」ということは聞くようにしています。
ケアマネやまわりの家族、支援者が勝手に困っているだけで、当事者である本人は別に困っていないことが多いんです。
「まわりの支援者が考えるあるべき姿、あるべき生活と違う部分がある」「利用してほしいサービスを利用してもらえない」ことによって、「この人は困難ケースである」とまわりが決めてしまっているように思います。
だからまずは、「その事例、今の状況って、困っているのは誰なの?」と聞きます。
②本人はどうしたいと言っている?
次に問うのは、本人の意向。
まわりの人は「こうしたらいい」「こうするべき」と口出し意見してくることが多いけれど、本人はどうしたいと思っているのか。
福祉の基本は自己決定支援。
例え本人の選択が合理的なものでなかったとしても、余程命の危険がない限り、または判断能力が全くないと認められない限り、その人の意向は尊重しなければいけません。
その人の生活はその人が決めるべきものですから。
私たちも自分の仕事、家はもちろん、今日何をするか、何を食べるか、自分で決めます。
(もちろん家族がいたりすると、自分1人で決められないこともあるかもしれませんが、その家族と一緒に暮らす、生活を共にすると決めたのはあなたのはず。)
私たちだって、いつでも合理的で正しい選択をしているわけではないと思います。
身体に悪いと思っていてタバコを吸ったり、寝不足になると分かっていて夜更かしをしたり、痩せたいと思っているのにお菓子を食べたり。
24時間365日、いつでも合理的で正しい生活ができているでしょうか。
(もしそんな生活ができていたとして、そういう生活は楽しいのでしょうか。)
例え高齢であっても、障害があっても、認知症があっても、その人が決めたことは尊重しなければいけません。
その人にはその人の価値観があり、暮らし方があります。
選択の結果がベストでなかったとしても、その人の決定を尊重する。その結果、持病が悪化したり、転んだり、道に迷ったりしたとしても、その人が決めたことだからいいのです。
私たち福祉の専門職は、選択肢を提示し、それぞれのメリットとデメリットを説明するだけ。
決めるのは本人です。
本人の意向が確認できているのであれば、それが答えだと思うんですよね。
③本人の判断能力はあるか?
だいたいの場合、①と②を問いかけると解決することが多いのですが、それでも引っかかる場合は、本人の判断能力を確認します。
本人に十分な判断能力があるならば、合理的ではなく、リスクが伴う選択だったとしても、本人の意向を尊重すべきです。
判断能力が多少衰えていても、生命の危険がない限りは、できるだけ本人の意向を尊重します。
全く判断能力がないのであれば、代わりに意思決定をする必要が出てくる場合もありますが、ケアマネがひとりで決めることではないので、親族や関係機関と協議します。
※意思決定支援についてはガイドラインも多数出ているので、そちらを参照します。
私のこれまでの経験から、新人ケアマネの指導をするときや、悩みを相談されたときは、この3つの問いかけが有効かなと思っているので、シェアしてみました。
「こんな問いかけのほうがいいよ」「こういうアドバイスが有効だった」などあれば、ぜひコメントをいただけると嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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