早く結果を出すことばかりが良いわけじゃない
先日ようやく次女が歩き始めました。
自分の身長と同じくらいの家具やソファに手をおいて立ったのは7ヶ月くらいのこと。すぐさまつたい歩きもするようになったので、「この子もしかして歩き始めるのが早いかも!?」なんて思っていました。
それからハイハイとつたい歩きと抱っこで過ごすことはや半年以上、やっと歩く気になったようです。
1歳と3ヶ月、歩き始める時期としたら遅い方だと思います。
早い子は7ヶ月ごろから歩き出し、1歳を過ぎたあたりからは次々と歩けるようになる子が増えていきます。
あんよの子の中で一人ハイハイを貫く次女を見ても「やる気になればそのうち歩くでしょ〜」なんて気楽に思えたのは、長女の時に苦い思いをしたからかもしれません。
長女も歩きはじめは遅く、最初の一歩が出せたのさえ1歳4ヶ月を超えた後でした。彼女がはじめてつかまり立ちをしたのは9ヶ月ごろ。たまたま遊びの延長で棚上に手を伸ばして、うっかり立てちゃった!というのが最初でした。はじめての当時の私は立ったはいいもののどう戻ればいいか分からず固まっている娘をパシャパシャと撮影。「うちの子1歳前に歩けちゃうのかも!!!」なんて内心ウハウハしていたものです・・・。
しかし彼女はこの出来事がとても怖かったようで、そこから一切立ち上がろうともしなくなりました。立ち上がった目線の場所におもちゃを置いてみても、声をかけて誘ってみても、何をしようが全く効果なし。
しばらく立ってやっとつかまり立ちをはじめた後も、手は必ず何かに触れていないとダメでした。一歩踏み出して歩いてみようなんて雰囲気もなく・・・。
それはそれは焦りました。歩き始めないのは、身体の発達に何か問題があるんじゃないの?私や我が家の環境に問題があるのかな?もしこのままずーっと歩けなかったら・・・?
「そのうち歩くようになるから大丈夫」「個人差があるからねぇ」なんて慰めの言葉に不安を飲み込んで、でも消化できずに夫に「どうして君は心配じゃないの!?」と八つ当たりしていたのです・・・。
ところが、長女が1歳4ヶ月を超えたある日。
何かが彼女に自信を与えたのか、ただ気分の問題だったのか、突然手を離して2歩ほど歩き出したのです!
そこからスルスルと歩く距離を伸ばし、気がつけば一丁前に一人歩きができるようになりました。
私が色々な手段を使っても全く歩こうとしなかったのに。何か問題があったわけじゃなく、ただ本人のタイミングが来なかっただけだったのか。そんな風に妙に納得したのを覚えています。
歩き始めが早い子はよく転ぶけれど、ハイハイが長い子は体感が強いから転ぶことが少ない。そう教えてもらっていた通りに、長女はよちよち歩きの時からほぼ転ぶことがありません。3歳になった今では周りの子と比べても早く走れるようになったし、見上げるような高い遊具にも一人で登っていけるようになりました。
そんな長女の経験もあって、次女の時は焦りすら感じることもなく「彼女のタイミングが来るまで待てばいい」と気長に構えていたのです。やっぱり彼女も、転ぶことがほとんどありません。一度バランスを崩して尻もちをついても、ニッコリ笑ってまた歩き始める・・・。何度も何度も立つと歩くを繰り返しながら、少しずつ距離を伸ばしていっています。
子ども達の姿を見ていると、早いことがいいことばかりじゃないんだなぁと気付かされます。
大人にとって「早さ」は「能力が高さ」を示す重要なものです。早く仕事ができるように、早く結果が出せるように。早い方が優秀で、遅い方は劣ってる。そんな価値観を持つようになるのは、一体いつからなのでしょうか。
でもよく考えてみたら、早く結果が出せるからといってその人の能力が高いことにはならないのです。たまたまコツを掴んだのかもしれないし、運が良かったのかもしれない。早く結果が出せたことで周りから「できて当たり前」と思われるようになって、期待されるレベルの高さに苦しむことだってあるのかもしれない。
反対に地味にコツコツ実力を磨いてきた人は、タイミングがくれば一気に飛躍することもあるはず。遠回りをすることで自分の枠を広げられるかもしれないし、経験が増えて自信がつくかもしれない。
何事もきっと、最短最速が一番ではないのです。
早いか遅いかで能力を評価する。これって結構危ういような気がします。
人それぞれタイミングが違うし、スピーディーな人もいればゆっくり確実に進みたい人もいる。
「周りと比べてどうか」ではなくて、「昨日の自分と比べてどうか」。横ではなく縦軸で成長をみる。時間よりも本人の成長を見る視点が、子供ばかりじゃなく大人にも必要なんじゃないだろうかと思います。
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