
生活圏の美しさ
今日は日光について深く考えるきっかけになったものについて書こうと思います。
■観光地だけじゃない生活圏にある温かさ
日光は毎年、多くの観光客が訪れている観光地としての側面をもつ一方で、自分も含め、地元を離れる若者は多く、生活圏にある美しさが観光の側面によって埋もれてしまっているような印象をもっていました。
その中でも私の深い思い入れのあるものが「弥生祭」というお祭りです。このお祭りは毎年春に開催されるお祭りで、各町内が所有している「花家体」(はなやたい)という山車を、各町内の住民が力を合わせながら、また町内の子供達がお囃子を奏でながら町を一巡するというお祭りです。
このお祭りのために、町内の住民は各町内の集会所などに集結し祭のための準備を一丸となって行っていきます。毎年、弥生祭が近くなると集会所には灯りや人だかりができ、子供たちが練習するお囃子の音が町中に響いていました。
その情景が私は大好きで、他世代の町内の人々と関わるとても大切な時間でした。
写真は十年ほど前の私の地元、稲荷町のみなさんと花家体。
■現状
しかし、長年、町の人々の繋がりをつくっていた「弥生祭」は、人口減に伴い、その存続が危ぶまれている現状にあります。また、各町内にある町のシンボルであるはずの「花家体」は、姿を表すのはお祭りのときのみ。残りの一年はシャッター庫の中で眠っています。
いまはなかなか弥生祭の音色が聞こえない時代になってしまっているようです。
またあの懐かしい風景を見たいなあと思います。