貧血の仕組みと鉄剤のこと
今回は
貧血って何でなるの?
何で鉄剤が出るの?
鉄剤の種類や鉄を含む食べものについて
などをお伝えします
貧血=鉄不足
というのは皆さんよく聞くと思いますが、貧血になる仕組みや鉄剤について知ると自分でできること、気をつけるといいこともわかってきます
貧血の仕組み
鉄は一般的に酸素と結びつきやすく
そのため、体内での鉄の主な役割は
酸素をからだのすみずみまで運ぶことです
体の60兆個の細胞全てに酸素が供給されることで細胞内のエネルギーが産生され元気に過ごせるのです
食べものに含まれる鉄には
ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります
ヘム鉄の方が非へム鉄より鉄としての吸収率が高い(5倍以上)のですが、
一般に日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が吸収率の低い非ヘム鉄です
医薬品として病院から処方される鉄剤も全て非ヘム鉄となります
ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収の違い
非ヘム鉄であるほうれん草や小松菜、ひじきに含まれる鉄や医薬品の鉄剤は
食物繊維やタンニンを多く含むお茶、コーヒーなどと一緒に摂ることで吸収されにくくなります
反対に、ビタミンCやクエン酸と一緒に摂ることで吸収されやすくなります
また、抗生物質によってはキレートを作ることで鉄剤の効果を下げることがあるので3時間以上空けてのむ必要があるものもあります
胃の不調などで胃液が十分に分泌されず胃のなかが塩基性に傾くと鉄は吸収されにくくなります
食事中水など飲み過ぎると胃液が薄まってしまうので注意です
非ヘム鉄による胃腸障害
非ヘム鉄は細胞内に取り込まれるときに
3価の鉄イオンから2価の鉄イオンに変化させる必要があり吸収が良くありません
この2価のむき出しの鉄が「胃のむかつき」の原因となります
注)体内で2価の鉄イオンに変化する際に、消化管の内部でフリーラジカルが発生してしまうということにも注意が必要です
一方ヘム鉄は、ポルフィリンと複合体をつくるので
そのような胃腸障害を起こしません
ヘム鉄分解酵素により吸収調整されるので過剰摂取も起こりにくいと言われています
《赤血球・ヘモグロビンの生成過程》
血液=血漿(55%)+血球(45%)
血球の99%が赤血球
血液が赤いのは赤血球に含まれるヘモグロビンの色
食べものやお薬に含まれるヘム鉄、非ヘム鉄から切り離された鉄は
ヘモグロビンの合成に再利用されます
腎臓から分泌される造血ホルモン(エリスロポエチン)により指示が出ると
赤血球の赤ちゃん造血幹細胞が骨髄でつくられます
赤血球にはたくさんのヘモグロビンが含まれ
鉄はヘモグロビンの生成に必要不可欠となります
また、
鉄だけ摂ればいいということではなく
赤血球を作るためには
ビタミンA、ビタミンB12、葉酸、タンパク質、銅、ビタミンEなども必要となり
銅はヘモグロビンをつくるため鉄を必要な場所に運ぶ役割をしており、亜鉛はその銅の代謝に影響を及ぼします
そのため、鉄以外の栄養素も大切なのです◎
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茨城県ひたちなか市で夫婦で統合的な見方による治療院をしています
心身の不調のサポート、発達相談、カウンセリングなど、ご縁がありましたらよろしくお願いします🌿