2019まとめ―今年買った本の冊数ほか―
昔からそうなのだが、この年末特有の雰囲気は苦手だ。
特に何があるわけでもないのに、何かやり残したことがあるような、何か急いでやらなくてはならないような、言いようのない焦燥感。
もちろん暦はおろか曜日とも無縁の生活を送っている下等なる遊民の身としては、年末にこなすべき任務など皆無である。
それでも圧し掛かってくるこの寂しさは何なのだろうか――。
そういうわけで、総決算するほど内容のある生活は送っていないわけだけれども、2019年という1年を振り返ってみるとすれば、やはり独り暮らしを始めたというのが大きな変化であろう。
家事から何からすべて自分でやらなくてはいけないというのは、むろん大変でもあったが気楽でもあった。
この「気ままさ」こそ、僕が予ねて必要としていたものではなかったかと思えるくらいに、自宅では伸び伸びとした時間を過ごすことができている。
やや奥まったところに居を構えていることも相まって、静かな時間を独り過ごせるのは精神衛生上かなり好ましいことだと痛感する次第である。
また、相も変わらず本の話をさせてもらうと、自宅に本棚を設置できたのは望外の快適さをもたらすこととなった。
同じ本に囲まれる生活でも、積み上げた本と棚に刺さった本とでは、アクセスの容易さも違うし、見た目の清潔感も大きく異なる。
それがふだん生活する空間に鎮座しているのだから、本の置かれ方が日々の気分に係わってくるというのも、考えれば当たり前の話である。
現段階では高さ180×幅90の棚が3本あるのみだが、まだまだ置く場所はいくらでもあることだし、せっかくだからうまい形の棚を見繕って、健康的に「本に囲まれた暮し」ができればと思っている。
元より「住める書庫」を目標として借りた部屋なのである。
来年はより整頓に努め、「人を呼べる書庫」への躍進を図りたいところだ。
日々山と買っている本の記録を、エクセルに細かく残すようになったもの今年の初めからだった。
これがどんな感じの記録かというと、例えばこんな具合。
タイトルや著者、外装(函、カバーなど)のあるなしはもちろん、誰宛の署名がついているとか装丁(本のデザイン)が誰の手によるものかとかいった点も、できる限りリサーチして打ち込んである。
我ながら項目が細かいので、大量に買ってきた日などは、数時間にわたって(最悪日をまたいで)調査&打ち込みをすることも珍しくない。
面倒といえば面倒だが、これも古本の楽しみ方のひとつであるし、勉強になることは間違いないのだ。
あとから振り返るときにも、発行年とか値段とか、ソートや検索が簡単なので実に便利である。
さて、この記録によると、2019年の間に落手した本の冊数は744冊、総額にして77万8114円である。
おそらく今年中にもう10冊ばかりは増えると思われるが、去年の812冊とほとんど同じ量となってしまったのは少し情けない。
これは保管場所に余裕が生まれたためでもあるにしろ、来年はもう少し……と叶うべくもない憧憬を抱いたりもしている。
だが、逆に言えば、仮に本を買う趣味を完全にやめたところで手元に残るのは70万程度なのだ。
精神的健康を維持するための趣味としては、まずまず安上がりなのではないだろうか。
ちなみに新刊(古本でないもの)は121冊、26万1327円であった。
一方で、我ながら呆れたことに、読んだ本のデータは一切記録していない。
参考資料などの必要箇所とか短篇をかじることこそあれ、頭からおしまいまでキチンと読むことはほとんどないけれども、いちおうは古本者をやっているのだから今後はもっと生産的な勉強をしたいものである。
勉強、ないし経験ということで言えば、今年の後半になってアマゾンプライムで映画を観ることが多くなった。
実は未見だった『シャイニング』とか、もう一度観たかった『ペンギン・ハイウェイ』とか、ツイッタで評判(悪評?)だった『スイス・アーミー・マン』とか、乱射的に見ているうちにウォッチリストが増えていくのもすごく楽しい。
独り暮らしで時間の融通は利きやすくなったのだから、うまく立ち回ればもっとたくさんの本を読めるし、映画を観られるはずだ。
成果の乏しい1年における数少ない反省のひとつである。
そんなこんな、趣味人としてはなかなかよい1年を過ごすことができた。
来年の抱負やら目標やらなにやらは、また稿を改めて発表したいところである。
「言霊思想」など古臭いことこの上ないが、宣言するとなんとなく実現度が上がるような気もするので、お付き合いいただければ幸甚。
5月にマガジンに混ぜてもらって以来、まとまりのない駄文を細々と書き散らしているけど、来年もこんなんでいいですか?
よろしければ来年も引き続いてご高覧賜りたく、お願い申し上げます。
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