若き書痴は何冊の本を買ったか
先に答えを言ってしまうと、2020年は延べ1057冊もの本を買った。
もちろん、というのもなんだが、過去最高記録である。
いや、違うのだ。
12月28日の時点での累計は952冊で、ここまで来てしまったものの1000の大台は超えぬように努めよう、と思ってはいたのだ。
12月29日。
固い意志を持った僕は、取り置きをお願いしてあった数冊を年内に受け取っておこうと、西荻窪のS林堂書店へ足を運んだ。
S林堂は非常によく行く店で、多いとき(ひどいとき?)だと100均一から50冊もの本を選び取ったことがあるほど、「買える」店としておなじみである。
とはいえ952から上限の1000までには50冊弱の開きがある。取り置きの数冊分を加味しても、均一から40冊くらいまでは買っていい(?)ことになる。
冷静に考えると40冊ってのもマトモな人間が買う量ではないわけで、「今年はギリギリ1000いかない量でお終いかな」と思っていたのだった。
ここまでの筆運びでお察しの通り、僕の期待は大きく裏切られた。
その日の棚、および店内に積み上げられた補充分の均一本たちは、過去に類を見ないほど僕にとって面白いラインナップだったのである。
戦前戦後の随筆類をはじめ、純文学、大衆文学、文学研究書等々……。
これが300円とか500円とかだったら、本当に必要な本しか買わなかったろうが、なにしろどれもこれも100円なのである。
「いつか必要になるかも」「イザ探すとなると手間取る」「ちょっと題名が気になる」「装丁が好き」と、申し訳程度の理由をつけては店主に本を預けていくうち、積み上げられた山は4本にもなってしまった。
数えてもらうと総計101冊。100円均一の本を1万円分買ったのであった。
(半端な1冊分はオマケしてもらった)
ただ量だけがすごいかというと当然そんなことはない。
この日など、堀口大学の河盛好蔵宛の署名本がしれっと紛れていたし、店主のありがたいサービス精神によって実に高レベルな均一台となっているのである。
逆に言えば、100冊買って1万円で済んだというのも、ある意味すごい話だ。
* * * *
なお、2020年の総購入額は75万4110円である。
エクセルの購入リストによると、平均額は1冊当り714円くらいだが、中央値は110円。
幅広いジャンルの本を安く大量に買い漁り、そこから面白さを見出していくという僕の収集スタイルを如実に表しているといってよいだろう。
いやしかし1000冊はやり過ぎだ。金額はこのくらいでも仕方ないが、冊数ばかりはこの半分くらいに抑えたいものである。
本年もこんな感じでやっていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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