快適なPC環境(当社比)
仕事に使っているわけでもないのに、4年くらい前からデスクトップPCを導入している。そこまで高スペックというわけではないけれども、やはりノートと比べると馬力が違うし、画面も大きくてよいものだ。
ただこのごろ、どうも家でPCを使うときにつらくなってくることが増えた。
第一にはディスプレイが椅子に対してやや低く、肩が疲れる点、これはけっこうよくある悩みではないか。
ディスプレイを買ったときに付属されていたネックスタンドだと、高さの調整が基本的にできず、下に挟む台を変えてやるしかない。
今一つの問題は、右手指の痛みである。
もう3年前くらいだろうか、仕事でちょっと重たいものを指に引っ掛けて運んでいる内に、人差し指の第二関節が痛むようになった。要するに軽い脱臼なわけで、適切な処置をせずにおいたら、季節や負荷によって痛みが再発するようになってしまった。
そこにおいて、マウスのホイール操作は人差し指と中指で行うものだから、その2本がだいぶ痛んできたのだが、利き手の2本が痛いのは日常でけっこう不便なものである。
そこで、思い立ったが吉日なので、これを機にいろいろとPC周りのアレコレを新調してみた。
まずひとつめはモニタアーム。
しかし汚い机で嫌になる。これでも少しマシにはなっているのだが。
ともあれこれによりモニタの高さを無段階で調節でき、角度も自在に動かせるようになった。安物にしては堅牢なできだし、ひとまずはこれで十分。画面下の空間が広く使えるようになるのも、かねての想像より快適だ。
で、他に買ったのがトラックボールである。
右手が痛むなら、左手で操作をできるようにすればよかろう、と思い、右手側のマウスはそのままに、左手側にもトラックボールを設置することにした。
トラックボールといえばロジクールが有名だが、あえてKensingtonというややマイナーなものを選んだ。最悪左手で使いこなせなかった場合を考えて左右兼用のものにしておきたかったのと、独自に搭載されたスクロールリングなる機能に惹かれての選択である。
スクロールリングというのは、写真でボールの周りに見えるギザギザが付いたリングのことで、これをカーッと景気よく回すことで画面のスクロールが行えるという優れモノだ。
マウスのホイールをちまちま回していると指の負担が増すばかりだが、これならばそもそも利き手ではないし、思い切り下にスクロールしたいときに便利である。
ただし、両利き用でスクロールリング付きの機種には有線のものしかないらしい。これまで使っているマウス――つまり右手用のデバイスも有線だから、これでは同時に接続するのが厄介だ。
ということで、右手用のを無線マウスに買い替えた。
ロジクールのまあ並程度のスペックのもので、もっと安いものもあったが、せっかくなら未経験のサイドボタンを試してみたくてこれにした。
仕事場の後輩は12個のサイドボタンを使いこなしているそうだが、たいていの機能はキーボードのショートカットとファンクションキーで事足りると思っているので、まあ2つもあれば十分か。
この2つを接続し、右と左とのどちらでもポインタを動かせるようになったわけだが、これは想像以上に便利だ。
基本的に右手で操作をしてスクロールだけ左だったりとか、右手で歯ブラシか何かを持っているときは左にしたりとか、使い分けが自在なのが良い。
マウスのサイドボタンは、まあなくてもいい気はするが慣れれば便利なのだろう。現状は初期設定の「戻る」「進む」を割り当てている。
トラックボールじたいは、やはり操作性においてマウスには及ばないという印象だ。細かい調整をするのが難しく、「もうちょっと上」とかいった微妙な操作にはあまり向かないと思う。
思うのだが、これも使っている内に慣れてしまった。厳密には、左手がトラックボールに慣れただけで、右手ではどうもイマイチうまく扱えない。
僕は右利きだが、左もそれなりに動かせる方ではあるので、それが奏功した感じがする。
ディスプレイも割合よい位置になって、左右のマウスとトラックボールとを均等に持つ関係から、姿勢はだいぶ改善されたように思う。
なにしろ家にいて起きている時間はほとんどPCに向かっているので、少しでもよい環境にしておくに越したことはないだろう。
というかPCなぞやってないで読書に励みでもすれば、より健康的で文化的な余暇を過ごせようものだが……。
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