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ディズニーを知りたい

ちょっと必要があってディズニープラスを契約した。

というのも、英語圏というかアメリカの文化を理解するうえで、ディズニーはかなり重要な位置を占めていると思っていて、ストーリーとか展開とか音楽とか、アメリカでは誰もが知る定番であっても日本人は意外と知らないことが多い。

特に僕などは、これまでの人生でそこまでディズニーに親しんできたわけではなかったから、英語を話したり英語のメディアを享受したりする中で、ある種の「お約束」がわからなくて寂しい思いをした経験が少なくないのである。


ディズニープラスというのは、簡単に言うと月額770円でディズニー作品を見放題で楽しめる、いわゆるサブスクサービスだ。

ここでいう「ディズニー」はけっこう広義で、ミッキーに代表されるディズニーディズニーした作品のみならず、ピクサーやマーベル、スターウォーズあたりも対象に含まれるので、リストを流してみると案外「あ、これ観たかったんだよね」という作品が多く見つかる。


とはいえ僕が着目した利点は、実を言うと作品の多寡ではなくて、動画の音声と字幕の言語を日本語と英語とで切り替えられる点だったりする。

アマゾンプライムだと「字幕」か「吹き替え」かを選ぶことで音声言語は切り替えられるが、多くの作品について、英語字幕はどうやってもつけられない(はず)。

そこにおいて、ストーリーが叮嚀に作りこまれているディズニー作品を英語で視聴し、サポート的に英語字幕を付すことができるというのは、言語屋のハシクレとしてはけっこう魅力的なのである。

まあ、使い始めてわかったこととしては、英語字幕がつけられるのは対象作品の全部というわけではなくて、基本的には映画(長編)において有効な機能と考えるのがよさそうだ。ふつうの短編アニメだと、このサービス用にわざわざ字幕を作らなくてはいけないのが大変なのだろう。ちょっと残念。



で、目下とりあえず『フィニアスとファーブ』を流し見している。ずっと前から好きな作品で、まとめて観る機会を待ち望んでいた。

フィニアスとファーブ

ストーリーはぶっちゃけると毎回ほぼ同じ。

夏休みを持て余している天才小学生、フィニアスとファーブが暇に任せてとんでもない発明をし、「監督者」であるところのお姉ちゃんステイシーを怒らせる。その裏で、悪の科学者ドゥーフェンシュマーツが奇天烈な発明で世界を混乱に陥れようとしているのだが、秘密エージェントのカモノハシ・ペリーは、それを止めようと奮闘する、という感じだ。

フィニアスサイドとドゥーフェンシュマーツサイドとは、基本的に交わらずに同時進行する。フィニアスたちはドゥーフェンシュマーツの悪行を知る由もないし、ドゥーフェンシュマーツもフィニアスたちのことは認識していない。
それでも、だいたいはドゥーフェンシュマーツの発明品が誤作動を起こしたりすることで、フィニアスらの発明品は霧散。どんな大事業でも1日でリセットされてしまうのだ。

セリフレベルまで徹底された様式美はそれだけで安心するものだが、かなり初期の段階から、その「お決まり」をメタ的にずらした展開も混ぜ込まれるのが個人的には好みだったりする。

初めて観たのは学生時代に日本語教育がらみでフィリピンへ行ったときで、出会いが英語版のオリジナルだったためか日本語吹き替えはいまだにしっくりこない(特にOP)。
フィニアスとドゥーフェンシュマーツあたりはそこそこハマっているが、イザベラの吹き替えはもう少し幼くできなかったのだろうか……。



ところで、ディズニープラスはあまり評判のいいサービスではない。

視聴するには、①テレビ(Fire TVなど)②スマホアプリ③PCブラウザ、の3パターンがあるのだが、どうもブラウザ版がクソ仕様でお馴染みらしいのだ。かくいう僕も、ブラウザをメインで使用している。

海外版ディズニープラスでは4K画質+5.1ch音声なのに日本版ではフルHD画質+2.1ch音声にとどまっている、という点は個人的にはあまり気にならない。見たところめちゃくちゃ綺麗というわけではないが、ザラつきが目立つという感じもしない。まあDVDくらいの質か。

それよりもイラっとしたのは、どうやっても作品の冒頭1秒がカットされてしまうことである

言い換えると、本来00:00から始まるべきタイムスタンプが00:01から始まってしまい、どんなに「10秒戻る」ボタンを連打しようと、シークバーを引っ張ろうとも、00:00~00:01の間1秒の動画および音声が再生されないのだった。(スマホアプリでは問題なし)

こちらの設定や環境の問題かもしれない、と思っていちおう問い合わせてみたところ、なんと返信には「PCブラウザでの視聴時に再生開始時間が[0:00:01]からとなる事象につきましては、現在の仕様となります。」とあった。正直言って驚愕である。

いくらストーリーに関わらないとはいっても、動画の一部が欠損しているという明らかなバグを、現状「そういう仕様なので」の一言で公式が看過しているのは、サービスとしてはいただけない。たとえOPの極々一部であっても、それは作品への礼節に欠くというものではないか


聞くところによれば始まって日の浅いサービスらしいが、日本版はDocomoと提携していることもあるので、フットワークの軽さはあまり期待できそうにない。


とはいえ観たい作品はやはり多い。『モンスターズ・インク』のその後を描いた『モンスターズ・ワーク』はもちろん、『アナ雪2』も『トイストーリー4』だって未見だ。

いわゆる古典に近い作品でも、『ジャングルブック』とか『リトルマーメイド』なんかも実は観ていないのだ。幼少期に観た『ロジャー・ラビット』とか『フラバー』なんてのも懐かしいから見返したいし、『イカボードとトード氏』『春の女神』みたいな渋めのチョイスも悪くない。

アマプラですら観なくてはいけないものが山ほどあるのに、更に増やしちゃうのもどうなのという気もしなくはないのだが、この娯楽にあふれた時代、選択肢としてどうなのかを体感しておくのはひとつ、有効なことではあろうと思う。

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