本で夢を売る男の実態がわかる
「夢を売る男」百田尚樹 幻冬舎文庫 h27
新人賞で落選した著者に、世に出さないのは勿体ないからと高い出版費用を出させて出版を持ちかける。
さらにその数年後、断裁が決まったからと通知して、著者に500部位買い取らせる。
そうした出版社があるという。この本は、出版に身を置く私に取って、とても恐ろしく又、知っておくべき内容だと思った。
読書が趣味の人は今3%だという。出版社も常に苦しいのだ。
いい文章とは、読みやすくてわかりやすいこと。感動や面白さを伝えられる道具であること。多くの人が喜ぶ文章を書くこと。強烈な自己顕示欲が本を書く人の力となる。
営業上で使う褒め言葉の違いや、クレームマニュアルを作っておくというのもこの小説で感心した。詳しく書いてなかったが、作っておくとよいというアイディアを貰えた。
印税も楽しみの一つだが、5千部までは5%、千部のびると増刷毎に1%、1万部超えたら10%、5万部で12%、10万部で15%
そう言うと、著者は夢を見て喜ぶそうだ。
現代では、夢を見るにはお金がかかる。著者の欲望を巧妙についてくる良書だと感じた。
さいごの解説を読んだら、現在の編集者に対する百田さんの痛烈な叱咤激励の書であると書かれていた。
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