愛しい愛しいあなたの幻影へ。
愛しい愛しいあなたの幻影へ。
どうやら本当にこのままトントン拍子に行きそうです。
あなたと歩めなかったその先に、彼と進むことになりそうです。
あなたがずっと拒んでた私の父とも、何だかあっという間に会いました。
「すごく緊張したけど、とても楽しかったよ」と言ってくれたことにとてもホッとしています。
最近は毎回長々とミーティングをしています。
私の拙い話も鬱陶しがらずに聞いてくれます。
しっかりと自分の意見も話してくれます。
あなたよりも口下手で、あなたよりも言葉選びがとっても上手くなくて、だからこそ一生懸命伝えてくれます。
私と彼が似てるところは、お酒がまったく飲めないところ。(最早アレルギーレベル)
外食も好きだけどお腹が痛くなっちゃうから、あんまり出来ないところ。
トイレが近いところ。それに関してとっても心配性なところ。だから高速では毎回PAとSAは見かけたら寄ろうって言い合える。
体質だから無理って何度も伝えてたのに、あなたはどうにかして結婚したら一緒に晩酌をしてほしいって言ってたけど、そう言われるのがしんどかった。
外食でお腹痛くなるとまた？ってなるのもしんどかった。
トイレも限界まで我慢しちゃうからよく怒られた。
あのね、楽なの、2人でいると。
顔色を伺わないでも大丈夫なの。
何も飾らないでいれる。
何も飾らないでいてくれる。
初めて会った時から彼の笑い皺が好き。
前腕の筋肉とか、髭を撫でる癖も好き。
仕事に対する姿勢も考え方も好き。
匂いも好き。(だからと言ってすんすん嗅ぐと恥ずかしいって怒られるけど)
あなたみたいにほしい言葉はくれないけど、迷ってる私に的確なアドバイスとか考え方をくれる。
共同経営者みたいな感じ。
本当はもっと甘やかしてほしい。
名前ももっと意味もなくたくさん呼んでほしい。
だけどね、改めて思う。
ごめんね、あなたの愛しい愛しい幻影。
もうあんまり最近は会いたくなくなってきたよ。
だって愛してたけど、辛かったもの。
未来が見えなくて、見えないように蓋をして、ぬるま湯に浸る感じ。
だけど毎日連絡来なくて不安で、予定が合わなくて不安で、待ち合わせも当日ちゃんと来るか不安で、不安で。
今の彼は当たり前だよって言うけどさ、絶対遅刻しない、遅刻しても連絡くれる、毎日必ず連絡くれるその安心感。
好きだよとか、愛してるとか、可愛いとか、全然言ってくれないのは寂しいけど、最近はもしかしたらちゃんと好きでいてくれてるみたいって、確信はないけど思えてるのよ。
今度こそさよなら、愛しい愛しいあなたの幻影。
私ね、あなた以外の人としあわせになるの。
「今回のことはまだ始まりですから。これからですから」と笑って言ってくれた彼とゆっくり歩んで行きたいと思うの。
ざまあみろ、愛しい愛しいあなたの幻影。
いつか面と向かって言ってやる。
あなたと別れたあの時の選択は、間違ってなかったよ。
そう胸張って言えるように頑張るよ。
あなたと過ごした愛しい日々を、アルバムを見返すように、時折ページをめくることはこれからもあると思う。
だけどね、その腕の中はもう恋しくならない。
愛しい愛しいあなたの幻影、どうか今日も夢に出てこないでね。