好きということ。
「人を好きになるって何?」
友達と話していた時、そう聞かれた。
9年目になる幼馴染の彼、彼のことは好きだ。
「でもときめかないんでしょ?」
そうだ、10代の頃の胸を焦がすような気持ちはもうないに等しい。
それでも私は彼が好きだと断言出来る。
性欲とかそういうのは、恥ずかしい話私にはもうないに等しい。
だけど、抱き締め合えばその体温に安心する。
それでも私は彼が好きだ。
浮気は出来ればしてほしくないけれど、別に昔ほど他の女の子と話していたり、会ったりすることに嫉妬は覚えなくなった。
だけど、出来れば彼の隣は私がいい。
叶うのなら、この手が皺くちゃになっても、あなたの隣にいるのは、その手を握るのは、最期のその瞬間まで私がいい。
それを愛と呼ぶのか、執着と呼ぶのかは、私には分からない。
でも出来ればこれを「好き。」と言わせてほしい、そう思うのだ。