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小石



道端のなんでもない石をけとばし歩いてた
あっちへころころ
こっちへころり
どんどん転がしていくうちに
なんでもない石の外側は
雲母のように少しずつはがれてゆく
そのたびに光をまとっているようにも見えた
どんどんはがされ小さくなる石は
最後に家についたとき
思い切りきれいなものになっていた
僕はてのひらにそれを乗せ言葉を失う
言葉を失うけれど
その石は言葉だったので
なんでもない顔をして
僕のものになったんだ
僕が光らせたぼくの言葉の石だった



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