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晴れの日をマグカップに


唐突に浮かんだ、
「晴れの日をマグカップに」。
その言葉どおり、
今日の晴れの日をマグカップに映すべく外へ出た。
少し歩くと大きな公園があって。
噴水の近くには何人かぼくと同じ考えの人がいた。
晴れの日をマグカップに。
唐突に浮かんだのはぼくだけじゃなかったのだ。
めげることはない、
たいていの思いつきは誰かの頭の中にも落ちるもの。
キラキラと光る水面に惹かれて、噴水の縁に座る。
マグカップを水と空、両方映せるところにかざしたら
青空をすくう仕草で傾けて。
陽の光をいっぱいに汲みとって。
噴水の放つたくさんの光も、
あますところなく映しこんで。

君の掌に、晴れの日のマグカップ。

おやつの時間に紅茶を淹れたら
きっと跳ねるようなきらめきで
香ばしさに鼻をすするかも。




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stand.fm『chigusaのことのは・つれづれ』#8-2より

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