死者への願い
絶対の隔絶の向こうにいる者たちよ、私の願いはただ一つ。
日々死と対峙する者にも日々死から目を背ける者にも、等しく死と向き合うための示唆を与えてくれ。
貴方たちの死に際の喜び、怒り、悲しみ、安堵、記憶、期待、どんな小さな断片でも構わない。
私たちは死が怖い。それは知らぬからだ。自己を失うことを。
私たちはそれを知ることができれば、どんな代償でも払うだろう。
私たちは自らの生が意義のないことに耐えられない。
死への理解を深めることによって、意義のない生に意義を形成できることを期待する。
例えそれが不可能だということを、奈落よりも深く理解していたとしても。