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教員会議は紛糾していた。 「ならぬ。断じて其のような見解は認めぬ」 筋骨隆々の武神が首を振る。 「妾の退屈が些かでも紛れるなら其れで宜し」 豊穣神が端正な両足を組み替える。 「彼のような徳目、非力な存在が愛でるもの。我らが要する事態など、ゆめゆめあるまいて」 「其の方は相も変わらず退屈じゃの。時には、妾の予想から外れてほしいもの」 「何を! 我を愚弄するおつもりか。積年の因縁に蹴りをつけても構わぬぞ」 「妾は一向に構わぬ」 椅子を蹴立て、豊穣神の眼前に剣を突きつける