反対理由にこそ成功の鍵がある『部活動の民間移行』のニュースを見て感じたこと。
昨日、興味深いニュースを見つけて読んだ感想をつぶやいていました。
令和5年度から中学校の部活動を民間のスポーツ団体などに段階的に移行していくという記事ですね。
部活動の地域移行、民間移行については運動部だけでなく文化部でも段階的な移行が検討されており、遅かれ早かれこの流れは今後の部活動は学校から切り離され新しい形での活動が考えられていくと思っています。
どういった形で、活動のどれくらいの割合が切り離されるのかはわかりませんが、近い将来において部活動のあり方はこれまでと変わる、そしてこれは吹奏楽部をはじめとした音楽系部活動におて楽器の技術指導や音楽指導に関わる職業音楽家、一人一人のキャリアにも大きく関わることだと考えています。
不安要素の解決が部活動の民間移行成功のカギ
部活動の民間移行に関する記事を読んでいると、宮城県教職員組合がアンケートをとったところ、6割が部活動の民間移行に賛成という声があったようです。
そして、僕はその回答の反対理由の中に部活動の民間移行成功に繋がるカギがあると感じました。
ここに書かれている反対理由は
教育的な指導ができる地域指導者の存在
学校での指導と休日の指導での不一致について
でした。
この部分を見て感じたことは、上記の反対理由こそ部活動指導員に必須なスキルで、この二つを持ち合わせている人の希少価値はめちゃくちゃ高いということ。
で、この不安要素の解決でまず一番最初に思いついたのはお金です。
ざっくり書くと、良い人材を好条件で雇うということ。
ほんとにシンプルで、これだけで部活動の民間移行は良い方向きっかけになると考えます。
音楽指導は専門性の高い仕事
一般的に音楽指導という仕事がどのような見られ方をしているかはわかりませんが、音楽大学で専門教育を受け、職業音楽家、つまり音楽を仕事に生計を立ているという視点から思うことを書いてみると、楽器を演奏するという能力とは違ったスキルを求められる専門性の高い仕事でありながら、音楽の仕事の玄関口でもある職種です。
なので、良い人材を好条件で雇うか人事評価制度を導入して指導実績に合わせた昇給や降格など待遇を決めるシステムの導入をすることが希少価値の高い人材確保への一番の近道かと思います。
ここでいう指導実績とは吹奏楽コンクールの結果だけでなく、例えば学校と地域の架け橋となるような活動(イベントでの演奏、施設への訪問演奏)や部活動に意欲的な新任の先生への指導だったり、吹奏楽経験のない先生へのサポートとか。
もちろん、音楽家であろうがアーティストだろうが芸術家だろうが、生きていくにはお金が必要で、僕らは職業に音楽というジャンルを選び生計を立てているので、お金にはしっかり向き合う必要があると考えます。
そして、これは僕の周りでの話ですが、さっきの反対理由を例に出してみると
教育的な指導ができる地域指導者の存在についての不安
学校での指導と休日の指導での不一致が心配
これらをクリアしてる人たちって、仕事で得たお金の一部を自分に投資して進化し続けてるんですよね。なので、単純に良い条件(高時給)で雇えば稼いだお金の一部でまた勉強しに行って成長し指導の現場で還元するという本当にめちゃくちゃ良いサイクルになると思うんです。
そして少し話が脱線しますが、音楽の世界って実力社会なので一度でも何かクオリティの低いものを提供してしまえば次はないような、簡単に切られてしまうようなシビアなところがあるんですね。
なので、人事評価制度を導入して指導実績に合わせた昇給や降格など待遇なんかも、華やかな舞台の裏で数々の修羅場を乗り越えてきてる音楽家の肌に合っているような気がします。笑
おわりに
僕は今年の5月からとある地域の公立の中学校で部活動指導員として勤務をしはじめた新米の中の新米ですが、職業音楽家という視点から、今後大きく変わるであろう部活動の未来を見守り、サポートし、発展に協力するべく何ができるかを考えていきたいと思います。
まだまだ学校現場を知らないから書けること、言えることも多々あるかと思いますが、吹奏楽や合唱、サッカーや野球など自分の興味関心がある分野の世界に触れられ、経験できる部活動自体は素晴らしいものだと思うので、この先の未来に部活動が良い形で存続していくために自分が何ができるかを考え、発信していきます。