いちじく

感想マニア

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今日も散歩してきた

母、母方の祖父が読書好きということもあったためか実家には時代小説、ファンタジー小説、絵本、戦争体験、行動心理学、写真集、料理本といった本があった。祖父が毎晩小説を読み耽っている姿、祖父の本棚を眺めていた。母は所持しているものはもちろん、図書館や保育園で借りてきた絵本、定期購読していた「こどものとも」を寝かしつけの際によく読み聞かせてくれた。 そのため本を読むこと、字を読むことが自然と身になっていたのかもしれない。小学生時代好きな授業は国語と図書だった。 国語というより国語

    • この物語は誰にでも通ずる

      「石とシャーデンフロイデ」 シャーデンフロイデという単語をこの映画で知る。単刀直入に言えば「人の不幸は蜜の味」だがあらかさまに嗤い蔑んでいる響きではないことが、人物たちの表情、仕草から察せられる。 人の失敗、苦い思い出、境遇を不憫に思ったり、蔑んだり、哀れむ思いというのはどんな人間にもあり得る。己自身にも他人にも取り巻く失敗、苦い思い出、境遇に対していつしか言い訳をするようになる。そのことにも気付き受け容れた時、その人はほんの少し、されども前に進めているのではないだろうか

      • 最近疲れている理由を考える。考えずともだった。単なる暴食、不摂生である。惰性で食しているだけで栄養にならず内臓脂肪と疲労と化している。食べるものは身体の調子に出る。

        • 今宵のお供に映画はいかが

          「ポップコーン、バター多めで/[Alexandros]川上洋平」 「感想家」という響きにまず心打たれる。映画を心から愛し純粋に楽しむ洋平さんの洋平さんによる洋平さんのための単語だと。 序章の「中にはただ馬鹿にしているとしか思えない人もいるし、見当違いな批評をする人もいる。自分に酔っているとしか思えないような人も(you know who)」という一文は、見当違い甚だしい自己満足を述べている感想マニアには耳が痛くあり、改めて批評家評論家にゃ向いてないしなろうとも思わないと固

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        今日も散歩してきた

        • この物語は誰にでも通ずる

        • 最近疲れている理由を考える。考えずともだった。単なる暴食、不摂生である。惰性で食しているだけで栄養にならず内臓脂肪と疲労と化している。食べるものは身体の調子に出る。

        • 今宵のお供に映画はいかが

          「恋人が欲しい」という人を見ると自尊心、寂しさ、承認欲を埋めたいのかなあと長年想像していたが「恋人」を「宝石」に置き換えたら違った視点を発見してなんだか親近感が湧いてしまった。手元に置いて眺めておきたいもんなあ、と。なんだかよくわからないことを浮かべるある一日の夜。

          「恋人が欲しい」という人を見ると自尊心、寂しさ、承認欲を埋めたいのかなあと長年想像していたが「恋人」を「宝石」に置き換えたら違った視点を発見してなんだか親近感が湧いてしまった。手元に置いて眺めておきたいもんなあ、と。なんだかよくわからないことを浮かべるある一日の夜。

          呪縛からの解放

          花組ペルメルvol.1『長崎蝗駆經(ながさきむしおいきょう)~岡本綺堂「平家蟹」による~』を観劇してきた。 堀井涼さんが脚本、加納幸和さんが演出を担当、師弟のコラボというなんとまあ豪華で壮大な今回の演目。現代の設定とは言えども岡本綺堂作品を原案としているため設定が古風なことはもちろん、花組芝居特有の色香、滑稽、皮肉さにあやめ十八番が醸し出す人間の毒々しさが劇場内を包み、双方が織りなす幻想的な世界に誘われた。時代背景がよりそのことを感じる。家制度。仇討ち。因果。土地伝説。現代

          呪縛からの解放

          瀟洒に着実に力強く進む4人の物語

          10年近く前、とあるバンドに出会う。 go!go!vanillas 言わずと知れた多くの人々の支持を得る実力のあるバンドである。 メンバーは全員平成初期生まれ。知った当初平成初期生まれのバンドが出始めたことに驚愕し時代の変容を感じたことを記憶している。 直喩、時には隠喩な歌詞は日本語の特徴を表しており、直球勝負を思わすような曲調、揺れに身を委ねるような曲調の時もあれば静寂に包まれているような心持になる曲調もある。 曲の表現の幅、紡がれる歌詞の広さは無限大である。 まるで

          瀟洒に着実に力強く進む4人の物語

          少しずつ強く、マシになれている理由を知った

          「なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆」 本を全く読まなくなった時期がある。 ケータイを手にした。活字より漫画が読みたかった。本を読むことより「友達を作る」ことが存在意義だと強く固執していた。就職先で自身を忙殺した。理由はいくつもある。 読者再開のきっかけは6年前になろうとしている新型コロナによるパンデミックだった。 ライブ参戦、旅行等の外出の規制どころか仕事も制限された。出かける場所、機会は失くなり、仕事の制限と共に収入が激減したが時間は失われていない。このよ

          少しずつ強く、マシになれている理由を知った

          10年以上の歳月をかけた結晶に唸るばかり(劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK」を観たことを機に進撃の巨人についてただひたすら個人感を述べているだけ)

          日本を、漫画界を代表する作品にまたひとつ立ち会えたことを光栄に感じる。 「進撃の巨人/諫山創」 冒頭から個人的な話で申し訳ないが、映像より紙媒体を好む傾向もあってそれでこそ10年前に知り漫画は読んでもアニメに手を出そうともしなかったのについ先日封切りされた劇場版を観るきっかけとなったのは、巨大スクリーンにおける迫力を求めていたのと我敬愛する岡野昭仁さんが歌声を提供されている澤野弘之さんが音楽を担当されていると知ったからであるのと以前昭仁さんが梶裕貴さんを称賛していたことを思

          10年以上の歳月をかけた結晶に唸るばかり(劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK」を観たことを機に進撃の巨人についてただひたすら個人感を述べているだけ)

          (ネタバレ有) 「ヴェノム:ザ・ラストダンス」を語らせてくれないか

          忘れないよ、相棒。 ヴェノムとエディはこの一言に尽きる。 2021年は「ブラックウィドウ」22年は観ていたのかないのか覚えておらず、23年は「ゴジラ-1.0」そして本年2024年は「ヴェノム:ザ・ラストダンス」が暫定(いやもはやダントツで)一番である。 悪人を叩きのめす爽快さは毎度のこと、今作の無茶振り?はボーイングに掴まる、馬で疾走してNYを目指したり、敵を考慮せずのチェンさんとのダンスシーンはこの2人の頼もしさをより増長してくれる(声を上げて笑わぬよう必死だった)マ

          (ネタバレ有) 「ヴェノム:ザ・ラストダンス」を語らせてくれないか

          (偶然日記)本日とある演劇と落語が織りなす会に足を運ぶ。開演前に読み始めた本が演劇に纏わる物語。

          (偶然日記)本日とある演劇と落語が織りなす会に足を運ぶ。開演前に読み始めた本が演劇に纏わる物語。

          先日ある映画を鑑賞。ざっとあらすじだけを確認して観ると普段観ることも考えもしない内容(とどのつまり苦手分野)と発覚。よい心持ちはしなかった一方(考えたり浮かべるのは時間の浪費の故に)考えず浮かべずの苦手分野に出会ったことはなかなか稀有だと妙に感心してしまい笑ってしまった。

          先日ある映画を鑑賞。ざっとあらすじだけを確認して観ると普段観ることも考えもしない内容(とどのつまり苦手分野)と発覚。よい心持ちはしなかった一方(考えたり浮かべるのは時間の浪費の故に)考えず浮かべずの苦手分野に出会ったことはなかなか稀有だと妙に感心してしまい笑ってしまった。

          手にしたい理由は何か

          「カグラバチ/外薗健」 毎度お馴染み書店巡りで存在を知る。講談を機に日本刀の舞に魅入り仇討ちの意義をもっと読み解きたくなり手に取る。 義の心にも悪の心にも順応し所有者に隷属してしまう妖刀の恐ろしさを世に渡らせぬため、何より尊敬する父の仇を討つために憎しみの炎を燃やす千紘であるが、陰険なものがないのは平常が冷めているからこそ戦いの中で見せる温情と短慮さ、何よりも柴さん、伯理、ヒナオ、シェル、薊さんの温かさと明るさが千紘を見守っているからだと考える。 カグラバチに於ける仇討

          手にしたい理由は何か

          逆境と劣等感の活用方法と筋肉の偉大さ。

          「MASHEL/甲本一」 彼此5〜6年前に趣味である書店巡りで存在を知る。魔法に筋肉で立ち向かうという奇想天外な発想に惹かれたのと筋トレの偉大さを体感した身として、読んでみたいとアンテナを張っていた。 ようやっと読むことになった訳は当時お世話になっていたサロンのスタッフさんとの会話でマッシュの逆境を好機に還元する機転を知り尚のこと読みたくなったからであった。 最初はレンタルで読破したが、手元に置いておきたくなり購入に至り再読している。 登場人物1人1人が劣等感を持つが

          逆境と劣等感の活用方法と筋肉の偉大さ。

          不要と知ることが必要なこと

          「死にがいを求めて生きているの/朝井リョウ」 智也のこの台詞が脳裡に響く。 世間の注目を浴びたい。一目置かれたい。それによって生きていることを実感したい。自分自身の意味を見つけたい。刺激を欲して諍いを起こす。人と違うことを行うことでよりそれらの意味が濃厚になる。特定の誰かより秀でていたい。優越感に浸り特定の誰かを蔑みたい。これらによって、この世にいても良いと言われている気がするから。それが「生きがい」であるから。そうでなくてもとにかく「生きる意味」「生きがい」が欲しい。

          不要と知ることが必要なこと

          好きなものの共通点

          好きなものの共通点を語る方を見かける。 好ましく思う人物であれば身なり、容姿、年代などなど。音楽ならばロック、ポップス、ミクスチャー、ヒップホップ、クラッシック等々。本であればミステリー、時代劇、恋愛、喜劇、図鑑、ファンタジー、洋書、新書など。漫画であればファンタジー、転生モノ、ギャグなど様々である。 共通点というより物差し、分類のような気もするがそういう好きの見つけ方もあるのか、と感心する。 逆に嫌いなものを羅列する方も見かけるが、それはそれで疲れはしないかと疑問が浮か

          好きなものの共通点