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その少女は、西側の昇降口から入ってすぐの階段を上った、三階にある美術室にいる。 肌は透き通るように白く滑らかで、栗色のまっすぐな髪は肩より少し長い。一直線に切り揃えられた前髪の下にある硝子の瞳は青みがかかった深い灰色で、レースのようにしなやかな、長い睫に縁取られていた。 僅かに開いた唇は小さく、赤いバラの花びらを思わせる。生徒たちから時代遅れだと評判の悪い制服も、彼女にはとてもよく似合っていた。 僕はそっと彼女の隣に座り、窓から見える夕陽を眺めた。 うっす