【岐路02】大学受験
『英語が嫌いである』
共通一次試験の配点は、ほぼ半額。二次試験に英語が無く、小論文と数学で起死回生を狙えたのは、宇都宮、長崎、福井大学。「おまえに行ける大学はない」と担任から太鼓判を頂いていたので、もっとも近くて安い福井大学で力試し。直前に古文の大江先生が教えてくれた小論文の秘訣は、「けめこしろ」。小論文は、「結論、明確さ、構成、資料および論理性に、起承転結を織り交ぜて書くといいんだよ~」を特訓すること3回。
白い物がちらほらと舞う福井には、前々日から入ってホテルに缶詰で数学の問題を解き続ける。高校受験の失敗はかなりダメージが大きくて、また同じ事を繰り返さないかと不安になったけど、部屋の天井を眺めながら「ここで(自分の中の不安に)負けたら、一生勝てない」と鼓舞した事は、今になっても覚えてる。
自己採点で数学はほぼ満点、小論文も大江先生の教え通りに、自分史上最高の文章が書けた。それでも一次試験の結果が悪すぎるので、合格は無理。「福井という所には、2度と来ることは無いだろな-」と思いながら、雷鳥で帰阪した。
春休みに入り、南港の木場でラワンの板干しのバイトをしていたら、少し分厚い合格通知。
そんな訳で、慌てて、福井へ。それが、1988年の4月。それ以降、ズルズル滑る結構な砂利道が、ひたすら続く。