「やすこちゃん」となった光浦さんに 険しさはなかった
ワークショップは大盛況。
以前はそんなじゃなかったのにと、光浦さん。
カナダ留学のため、芸能界を休止すると公表した時から
その社会的地位や年齢を踏まえ
驚きと羨望と応援の言葉が世に飛び交っていました。
高等遊民なんて声もあったけど
何らかの確信がなければ踏み出せず、
踏み出したところで楽な話でもないと
多くの人が同じように想像し、エールを送っていた事でしょう。
そこにCOVIDが蔓延し、計画がなし崩しになりかけても決行に至れたのは
もとより光浦さんが外に目を向けていたからに思えます。
その真意は、どこかで語られているかもしれませんが
大学でインドネシア語を専攻した後も、しばしば海外に出向いたり「理想の暮らしは沖縄でカフェを経営」 と言っていたのを考え合わせれば、海外というより、枷のないどこかを探していたように感じてならないのです。
光浦さんは自身を「やすこ」もしくは「靖子」とする事が多いですね。
「靖子先生」なんてのもあるけど、いずれも姓ではなく名前。
一時帰国してのTV番組で、相方の大久保さんは
「最近の動画には ”小学校4年生の靖子ちゃん”が素のままでいた」と語り
他の若返った、可愛らしくなったと言う声に
とても嬉しそうな光浦さんを目にして思ったのは
お笑いの道に進む中で売りにした立ち位置から
シンプルに言えば「名前で呼ばれるような可愛いがられる女の子」になりたかったのかという事でした。
そしてそのようなものは意味がないと思えたであろう 今もなお
容易に解かれはしないのだと
いろんな人がいろんな事をそこに投影し、考えているはずで
以前、光浦さんのエッセイを読んだ太田さんが「光浦が楽しそうにしてると 泣けてきちゃうんだよな」と言っていた事も合わせれば
ジェンダーに関わらず それぞれが抱えるネガティブなところに、彼女の心情が響くんだろうと思いました。
そして以前出した著書に寄せられていた「共感も多い一方で、少し引いた部分もあった」というレビューに、しばしば耳にした強い口調が甦り、
無意識にでも負の感情をそんな風にすり換える事が多かったのか、とも感じるのです。
「めちゃイケ」という オアシズも出演した番組が、大きな重圧になっていたとお二人共に話していたので そこが肝心とは思うのですが、私は見た事がないので見当違いな推察に過ぎないのかもしれません。
ただ光浦さんは20007年に脳動脈瘤で入院した事も公にしていて、その影響が大きいだろう事は、類似する世の経験談に照らし合わせても間違いないでしょうし、私自身も近い思いがあるわけです。
最新刊 『ようやくカナダに行きまして』 の帯位置にある、誰にも効く処方箋のようなこの言葉は、ジェーン・スーさんにも通ずるものに感じます。
光浦さんもそうだけど、相方の大久保さん・ミチコ先輩・邦子さん達が荒波を乗り越えての泰然とした姿を見せてくれて、ヒコちゃんや加納ちゃん世代のみならず、世の中自体が緩やかに変わっていくように見える一方で
「女性」という言葉でまずはアピールしながら、煙に巻くような話で別姓を拒否し、トップの座を渇望する人もいて。
何にしても、増えれば統制すべく分けはじめ
そこにエゴを絡めるからいざこざが起きるし
人の心理なんて それは簡単に流されるんだから
意識なく 手当り次第に「戦」という言葉を用い
好戦的な社会に染め上げるのを、まずはやめ
色々ある思いに できるだけ歩み寄り
自分まわりの損得で考えない。
誰であれ これらの事を
心の隅に置いてくれたら。
この目まぐるしい数日を追いきれないまま
今日ちょっとしたケガをしてしまい トーンダウンしてる事もあり
そんな稚拙な言葉でまとめるしかないのですが。
人物を羊毛フェルトで表すのは、リアルに立体的だからより大変と思うのに、光浦さんはそのクオリティはもちろん、モチーフの多様性・切り取り方・組み合わせ・作成数からも、凄いという一言に集約させてもらうしかなく、何よりどの作品を見ても幸せな気持ちにさせてもらえます。
ご本人は「私は絵が下手なので、
フェルトで表現するほうが向いてるんですよね。
立体に描く画力がなくて。
飛び出てほしいところが飛び出てくれない。
でもフェルトは半立体、2.5次元なもんで。」
との事で、例えば
高さが足りなければ そのまま足せばいいように
おっしゃってはいるんですが。
https://magazine.mercari.com/hobby/handmade/mitsuuraより
フェルト作品の中から描かせてもらおうと思い釘付けになったのは、諸外国の女性政治家、そしてずっと語り継がれていくであろう、アメリカ連邦最高裁判所判事として国民的アイコンにまでなった
RBGこと ” ルース・ベイダー・ギンズバーグ ” をモチーフとした作品。
光浦さんは前に前に出てくる強い女性が好きと公言し、「サッチャー、土井たか子、田中真紀子」と挙げていたんですね。
もう一人描き加えるのは なかなか大変だけど、ルースは一も二もなく描きたいですもん。で、目だけはご本人に寄せ、あとはフェルト作品に準じて仕上げました。
※光浦さんの作品を再度調べたら
色調が画像毎にかなり異なっていたので
実際のフェルト作品の目は
私が描いた方に近いのかもしれません
他のモチーフを探す中で、「旅行に行ったとき街の雑貨屋で買った」としていたタイのフードキャリーと台湾茶筒にも歓喜。
「どっちも安かった。何百円だったかなぁ?実用はせず置物に。海外に行ったら、部屋に飾ったら可愛いなぁ、てなモノを1個買う」だって。
私も台湾で買った茶筒を今も持ってて、タイは行った事ないしステンレス製だけど ZEBRA の二段キャリーは棚に置いてる。
で、茶筒も記事に添えられたアルミっぽい材質の画像に寄せて描き
好物の中にロースハムとカニカマの文字も目ざとく見つけていた私は、もちろん迷う事なくフードキャリーに合わせました。
レモンパイならずとも、お菓子は相当数作ったし
他にも近しく感じるところが多々ある一方で
私はお笑いとは縁遠く
春から描いてきた対象がお笑い界隈に偏っているのに
生粋の番組は観ておらず、それぞれを追っているわけでもありません。
ただそれは どの分野でも同じで
描くのはともかく、そういったスタンスで綴るのはどうかと思いつつ、描きたいものと書きたい事が合致するならと進めてきました。
私がインスタを日々チェックしているのは
光浦さん ただ一人。
メディアへの露出がほぼない事は大きいと思うけど
潔い生き方の彼女が
次なる何を見ているのか
それを知りたいからかもしれません。