君よ待て

うずうずするんだよ

腹の底を君が這いずり回っている

出口をさがしていまかいまかと

わたしのなかの吹き出し口をさがしている

わたしがなかなか君をだしてあげるその術を身につけられずにいるから

もうしびれを切らして飛び出しそう

もう吐きだしてもいいんじゃない？

いまあるもので吐き出してもいいんじゃない？

君がそうきいてくる

だめだ、焦ったらだめだ

とびきりのデコレーションをして君を世にだしてあげるから

だってだって、身体中が聞き耳を立てている

君の蠢く妖しい音を

それはとても複雑な音色を奏でている

もう少しだけ、もう少しだけ待っていて

必ず君を外にだしてあげる

わたしがぼろぼろになっても

一番素敵なデコレーションでだしてあげるから

どうか待っていて、君よ