夢の続き
夢を見た
ひどく鬱的でひくつな作家の夢を
かれは見ているかみていないかわからないような瞳でわたしと話し、
怒っているの?と聞くと、怒っていると言うが、何に怒っているか聞くと、怒りがあったのか、怒りを忘れたのか、そもそも怒りがあったのか?と言って、また遠くを見たまま答えないで、虚な顔をした。
実態が空虚で捉え所がないというよりはとらえられないようにするすると逃げていることに自分で気づいていないような彼。
頑固で強情で儚い彼を掴みたいと瞳の奥に語りかけてみても、やはりその瞳もわたしを捉えてはいない。
あなたにかけるべき言葉を知りたい。あなたの瞳に熱が帯びて、目の前にいるわたしを見てくれる、そんな言葉をさがしていた。
そんな夢を見た。