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ハムのはしっこ

子どもにご飯をつくるようになって、よく食べるようになったもの。
それはかたどった何かの端っこ。

ある日はうさぎ型にくり抜いたハムの外側。
ある日はアンパンマンのお目目型にくり抜いた海苔の外側。
ある日は星形にくり抜いた人参の外側。

それは、お誕生日のプレートだったり、保育園のお弁当の日だったり、食べの悪い日に気まぐれに思いついて朝ごはんを工夫したりした日に現れた。

その残った残骸はわたしが美味しく頂きます。見た目は悪いけど、大丈夫。

子どもが喜んで食べてくれたら、そんなのはなんということもないのだ。

そこでふとふりかえる。母も父も、食べていいよ、気にしないでいいよ。よく言ってくれていた。

わたしは気を遣う子どもで、大皿に出されたおかずの最後のひとつには必ず手がつけられなかったから、父と母はそう言ってくれた。

そんな父と母だ。きっとわたしが今、子どもにしているように、知らないところで、何かの端っこを食べていたんだろうな。ありがとう。

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