風の谷のナウシカ全巻読みました
2022年末のあなたへ、日記兼ブログ的な備忘録兼お手紙45通目。
11月序盤は日中暖かいというより、暑い?え、夏…?くらいの日が多くて、今年の冬余裕かも!と思っていたが、やはり後半に差しかかってくると徐々に冬の到来を感じるようになる。
要するに肌寒い。
年末の大掃除も、寒さが本格的になって動けなくなる前に早めにすませとこうと思っている。
12月になってから焦らずに済むように、11月から年末のやらねばタスクを少しずつ進めている。
…のだが、今すでに12月までにあれしとこう、これしとこう、と結局やらねばの気持ちが常に心を占めている状態で、これで本当に12月になった時に焦らずにすむのだろうか?
単純に12月の間だけだった焦りの期間が11月にまで延びただけではなかろうか?
やや疑心暗鬼に駆られている。
年末タスクの前倒し、今年の自分の様子を見て、来年も継続するかどうかまた考えようかな。
さて、今回はnoteのハッシュタグ、「読書の秋2022」に乗ってみることにした。
最近、この本読みました
長年気になっていた本がある。
「風の谷のナウシカ」宮崎駿作 全7巻
十数年前に全巻セットを見かけて、読みたいな…と思いつつ見送っていた。全巻セットで2500円ほどのお値段だった気がする。正規価格で計算したら3000円ちょいだから、相当破格である。むしろ正規価格だって、作品価値から考えたらいいの?こんなお手頃価格で!?と違う意味で驚く金額なんだけど。
しかし当時の私はまだヘタレだった。
通りかかったお店で予定外にそれだけの出費を財布からポン!と出す勇気がなかった。
しかも、映画版だけでもあれだけ壮大な物語。そのさらに先の奥深い所まで、果たして読み進めて行けるのか?
買ったはいいものの本棚にずっとしまいっぱなしになるのではないか。
それはこの本たちにとって幸せなのか?
そんなことを考えて手が出せなかった。
…が、そう諦めてみたくせに、後からやっぱり買えばよかったなと後悔するのも私なのだ。
以来、心の片隅で「いつか全巻揃えて読み終えたい…」とくすぶり続けていた作品だった。
いや、買えよ。
今日び書店だけじゃなくネットでもいくらでも探せるでしょ。
というお叱りはごもっともです。 すみません。
そんなヘタレの私だったが、とうとう決心して全巻買いそろえた。
全7巻との出会い、ふたたび
今年の始め。全巻そろって本屋に並んでいるのを見た私。
その少し前から、「やっぱり読みたいな」という気持ちも再燃していたので、これはいい機会!と思い切って全巻大人買い。
さてさて、いったいどんな話か?
ここで、需要があるか分からないけどナウシカって?という方のためにはばかりながら「風の谷のナウシカ」ちょっとおさらい。
世界が汚染され、毒の瘴気を生み出す森「腐海」。人間は残されたわずかな汚染の少ない土地で、腐海の瘴気におびえながらも共存している。
王蟲をはじめとする腐海の虫たちと心を通わせる少女ナウシカ。
彼女が暮らす自治領、風の谷に戦のため協力を要請にくるトルメキア軍。
トルメキアに侵攻されるも反旗をひるがえした国ペジテ。
三者三様の事情と、そこに腐海の存在が絡み合い、戦争のために利用される古代兵器、森、王蟲たち。
蟲を愛し、腐海の世界における役割に気づき始めるナウシカが自分の谷を救うためにとった行動は…?
というのが、映画版の主なストーリー。私なりの理解で書いてますので、そこはご了承ください。
さて、映画の話は大体2巻までの話を凝縮したもので、実はナウシカの物語はその先も続いている。
ちなみに巨神兵がその全容を現すのは、マンガの中ではもうちょっと先の方。
ナウシカ、その後の展開は?
王蟲の混乱から谷を守ったナウシカ。
しかし王蟲と心を通じさせるなかで気になる言葉を耳にする。
この戦争の元凶や腐海の秘密がそこにあるのでは?と感じ取ったナウシカは、王蟲から止められたものの、彼らの進む先を追うことを決意する。
その道のりで彼女は多くの隠された真実を知ることに…。
最後にたどり着いた場所で彼女が導き出す答えとは…?
というのが、2巻以降完結までのざっくり、本当にざっくりなストーリー。
そして、ええ、やはり、予想はしていたものの…
ストーリーが壮大。
属国を支配しようとする大国。
しかし支配する側の皇帝もまた、支配のための道具としていた「腐海」で人間の住める土地をさらに失い、結局自分の首を絞める結果になったり。
支配される人民の中でも、民族の違いでいがみ合ったり、卑しいとされる部族の人々を蔑んだり。
つくづく人間の業の深さを考えてしまう。
腐海の秘密とは何なのか
映画版の中でも、
「腐海は世界の汚染の元凶ではないのでは」
「むしろ世界を浄化しているのでは」
とナウシカは腐海の隠された意味に気づきかけている。
マンガ版でも読み進めていくうちに少しずつ腐海の謎の深部には近づくのだけど、「浄化」というだけではどうやらない。らしい。
らしいって何だ?って感じだけど💧
なにしろ一読しただけでは理解できたととても言えないし、私なりの理解を伝えようにも残念ながら文章力不足なのだ。
人間の都合で変わり果てていく世界の中で、粛々と、淡々と自分の生命活動の役割をこなす森と虫たち。人間だけが、自分達もその中のひとつの生命体に過ぎないということを、どうしても忘れてしまいがちなのだ。
つまるところ、腐海と世界、蟲と人間、それぞれを別個に捉えるものではない、ということらしい。
さらにさらに終盤では予想外な秘密が語られ、まさしく
えっ!?
と目が点になるのだが、自分の読み解き方が合ってるのかもはや自信がないので、気になる方は買って読んでください。
闇の中に光は宿る
物語の中でナウシカは「伝説の青き衣の人」にまつわる神話のような描かれ方もされる。私も映画版だけ見ていた時は、神がかったすごい子だと漠然に思っていたんだけど物語全般を通して彼女を追ううちに少し見方が変化した。
終始思慮深く、賢明で勇気ある少女ではあるけれど、ものすごい超常現象が起こせるとか、光の玉で相手を攻撃できるとか、そんなすごい能力があるわけではない。
幾度も自分の進む方向に迷うし、悩むし、怯えもする。
そういう点では当たり前に周りの人々と同じ人間であり、そもそもがのどかな谷に暮らす善良で無垢な少女なのだ。
それでも自分の中の黒い部分から目を背けない所が彼女の強さだと思うし、そんな彼女だから世界の命運みたいな重い宿命を背負えたのではないかなぁ。
…と思う。
人間は闇を抱えながら生きていく。
正しさだけ、明るい光の側面だけを持って生きられたらいいのだろうけど、そうはいかない。
それでもその闇の中に希望の光があるのだろう。
多くの苦難を乗り越え、世界と命の深淵を見つめるナウシカの物語。
やはり読んでよかった。
読む人それぞれの解釈があると思うし、語りつくせているわけではないけれど、私の感想は以上です。
ではまた次回。
読んでくれてありがとう!
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