あなたもこれで歴史の証人です。プノンペン2024年12月
前回の記事の続き
課題の多い旅行
今回のカンボジア旅行は
・初めての宣教旅行
・初めての国
・ビザが必要
・入国前の電子入国手続きが面倒
・香港からグループに参加するのではなく、シェムリアップから合流
・香港からではなく、中国経由
・入国翌日、バスで6時間乗車の移動 等々
色々課題があり、周りの方々に「大丈夫?」とご心配をいただきましたが
殆どの事は事前にネットで手配が出来ました。
(ビザは尖沙咀のカンボジア領事館で取得しました)
辺境地に行くことは、かつて、バックパッカーとして、各地を経験し
不便なことについては慣れているので、大丈夫かと
カンボジアに行った友人から、旅行者が行く所なら英語が通じること
移動にはGrabが使え、カンボジアでは、トゥクトゥクまで使えること
支払いは米ドルの小額紙幣で足りること
深圳経由については、自分は中国語が話せること 等々
自分なら大丈夫と、思いました。
しかしカンボジア入国日、
プノンペンでやるべき課題がありました。
最も重い課題
プノンペンにはお昼には着きますね。半日時間があるので
トゥール・スレン虐殺博物館に行ってください。
カンボジアで、何が起こったかを知るため
絶対に行って、見てください。
滞在時間は2時間以上取ってください。
今回の旅行のリーダーの、牧師先生から言われた言葉。
正論すぎて、全く反論出来ません。
しかし重すぎる課題です。
このような場所は、最終日に行く人が多いと思うけど
到着日に行くのは流石にキツイ…。
そして、プノンペン到着日。
飛行機は遅延なく到着し、
空港からホテルまでGrabを使い、問題なく到着し
ホテルのチェックインも問題なく、
近くのお店でランチを頂き…と
初めての国ですが、問題なく、着々と旅程が進み、
午後2時過ぎ。開館時間は5時まで。
そろそろ行かないと、間に合わないなと
Grabが使える場所に移動し、Grabアプリの行き先に
「Tuol Sleng Genocide Museum」と入力しました。
遠くないので、トゥクトゥクで移動しました。
2時半過ぎに現地到着。
日本語のオーディオガイドと一緒に
トゥールスレン虐殺博物館の入場料は
外国人は入場料5USD+オーディオガイド5USD。
団体ツアーの参観者以外は皆、オーディオガイドを着けていました。
見るべきポイントは30ヶ所以上。
オーディオガイドに従いながら進みます。
オーディオガイドの日本語はゆっくりと丁寧に話すため、
ゆっくりと進むことになります。
オーディオガイドのヘッドフォンをつけると
自分が1970年代後半のクメール・ルージュの頃の
カンボジアにタイムスリップした様な感覚になります。
ベッドが置かれた部屋が続くA棟。
ここで鎖に繋がれ、拷問され
ベッドに繋がれた死体のままの死体が発見されました。
A棟の各部屋に記された、人々の名前と性別、年齢と死亡日を読むと
そこに居た人たち人たちの姿が蘇るような気持ちになりました。
そして、彼らの生きた年代の近さに、
衝撃を受けました。
クメール・ルージュがカンボジアを占領したのは1970年代後半。
あなたもこれで歴史の証人です
高校の校舎を改造した収容所の
トゥール・スレン虐殺犯罪博物館は
A、B、C、D棟の建物があり、
A棟: 最初の犠牲者が発見された大きな独房
B棟: 犠牲者たちの数万の写真の展示
C棟: 囚人用の小さな分割された独房
D棟: 拷問道具及び、多くの頭蓋骨 等の展示があります。
オーディオガイドに従って30ヶ所以上の展示を見学。
見学者は個々にオーディオガイドの音声に向き合いながら
順路を進みます。
どんどん内容がヘビーになって行き。
D棟の辺りでは、ぐったりとベンチを求めて
座る人たちが多くいました。
私も暫くベンチに座り、放心状態でした。
そして、最後のオーディオガイドの締めくくりの言葉。
「あなたもこれで歴史の証人です」
ガッツリ逃げられられない様な気持ちになりました。
時間はまもなく午後5時。閉館の時間です。
混乱していましたが、背中を押されながら、施設の外に出ました。
1978年の生々しさ
この様な戦争や虐殺に関する施設には
幾つか行ったことがあります。
広島や長崎の原爆資料館、南京大虐殺紀念館など。
しかしトゥール・スレン虐殺犯罪博物館は今まで以上に
生々しく感じました。
今回の展示で表示された年代は、1975年-1978年。
昭和生まれなので、この辺りは既に記憶に残る頃。
1978年の日本のヒット曲はピンクレディーのUFO。
平和な日本と同時期に地獄の様なカンボジアが存在していたと
実感しました。
先にFacebookに感想を書いた時
友人から
「最近発見された、シリアの地下刑務所の様です」のコメント。
シリアもカンボジアも発見した人は、信じられないと思うでしょう。
参考資料、詳細リンク
公式サイト(英語)
概要詳細はWikibedia日本語
更に詳しい詳細はWikibedia英語