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深圳が見える街から
既に多くは報道されていますが、
9月18日、中国広東省深圳市で悲しい事件が起こりました。
今年の9月18日は香港の祝日でした
今年の9月18日は香港の祝日(中秋節の翌日)で、
事件が起こった時は、何も知らずに、
深圳に住む友人と中秋節のメッセージをやり合っていました。
この時は、9月18日だったという事も忘れていました。
9月18日は「満洲事変」が勃発した日。
93年前の事件で、日本人の多くは忘れていますが、
中国では今でも918と記憶に刻まれております。
深圳在住の中国人の友人について
メッセージをやり取りする友人は深圳在住、
中国人女性のクリスチャン、
中秋節で撮った良い感じの写真があったと思い出し
メッセージを送り、
お互いの近況報告や、これからの事を話し、労わりながら
心が温まるひと時を過ごしました。
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お互いクリスチャンとして同じ信仰を持ち、
心の奥まで語れる友人ですが、
かつて彼女の中には、
私が想像ができないほどの葛藤を持っていました。
知り合ったきっかけは、数年前ですが、
私が毎週通う、香港の日本人教会に
ある日突然、一人で彼女が来ました。
礼拝後に、挨拶をすると、中国語で自己紹介を始めました。
私は深圳に住む中国人です。
日本に対しては、歴史的な理由で、敵意を持ち
許せない気持ちがありましたが、
神様から、和解のために
日本人教会に来るように示されました。
今まで憎しみを持っていた気持ちを謝ります。
彼女の言葉を聞き、ビックリしました。
何故なら、ほんの数日前に、
北京留学経験の有る友人と一緒に
日本と中国、中国と香港の関係について
お祈りをした矢先だったのです。
中国の人が、自分が憎んでいた日本人の中に飛び込む
しかも深圳から香港まで来て
本当に簡単な事ではありません。
その後も何度か、香港の政治運動が激しくなる前まで
深圳から、私たちの教会に来て礼拝に参加し、
色々語り合いました。
深圳の中国人教会へ
逆に私の方からも一度、深圳の教会に行きました。
しかし、行くと決めた日は7月7日。
深圳に行く余裕がある日曜日がこの日だった訳ですが、
これは少し面倒だなと思いました。
過去の日本軍が行ったことについて、
直接自分が悪い訳ではないけど、
日本人に会ったら不愉快になる中国人がいても
仕方がない日という認識です。
![](https://assets.st-note.com/img/1726848326-L305KyOs8SkjNZaIx6fGEXrl.png?width=1200)
前から留意しておりますが、香港でも要注意となりつつあります
今も存在するのかは分かりませんが、深圳の友人が通う教会は
富士康(フォックスコン)の工場の近くにあり、
台湾人の牧師先生が説教をする
非公認の教会でした。非公認なので詳しくは書けません。
香港の教会と変わらない雰囲気で、
明るく開放的な感じで、
後から非公認と知り、ビックリでした。
超格差社会の中国で、
ホワイトカラーの人たち、ブルーカラーの人たち、
海外からの帰国者っぽい、お金持ちっぽい服装の人たちと、
様々な階層の中国人が、平等に自由に、共に集っているのを見て
ここは凄いなと思いました。
しかも牧師先生は台湾人。
礼拝の後の自己紹介で、降参するような気持ちで
自分が香港に住んでいる日本人で、
今日は7月7日ですが、
日本人として申し訳ない気持ちがあると言いましたら、
牧師先生が私に声をかけてくれた言葉は
「私たちの国籍は神の国にあります」
聖書の有名な言葉ですが、
この時ほど実感したことはありませんでした。
歴史の傷、憎しみは乗り越えられるのか?
正直な事を言いますと、
政治的に国民感情を抑えるのは無理だと思っています。
政治には期待していません。
日本側も中国側も対応がチグハグで
お互いの事を分かっていない印象で
政府を信用をする気が起こりません。
日本政府は説明要請をしていますが、
中国側の情報公開は期待出来ませんし、
本当の情報を公開しても、利益がありません。
そして日本政府は、遺憾である以上の発言はしないでしょう。
お互いの利益にならないからです。
上記の記事の様に、今後も模倣犯が出る可能性があります。
在中国日本人学校の児童・学生たちの命を守るなら、
いっそ下記の「敏感な日」は全て休校にした方が良いと思っています。
強い抗議という意味にもなりますし。
![](https://assets.st-note.com/img/1726925704-mtFRJukrcpxzAse4yBYdIlbD.png?width=1200)
日が沈む国で聞かれこと
中国から話が離れますが、1991年に
欧州周遊バックパッカー旅行をし、
途中、スペインから船でモロッコに行きました。
日本は日が昇る国と言われますが、
モロッコがあるマグレブは、日が沈む国と言われます。
![](https://assets.st-note.com/img/1726926142-XrsHKawUYoMj29hZDuflJI7d.jpg?width=1200)
特に初めて行ったイスラム圏のモロッコは、生涯で唯一
若気の至りで行ってしまったと感じた国で、
色々大変な事に遭遇しました。
更に旅行中、モヤモヤと思っていたのは、
当時終わったばかりの湾岸戦争(Gulf War)のこと。
日本のテレビニュースでは、圧倒的に「イラク=悪」でしたが
上海留学時に知り合った、イラク人の友人たちの顔が浮かび
また、力で圧倒する米国に追随するだけの
日本政府の考えにも、疑問を持っていました。
イラク人学生たち、日本人男子学生の部屋と近く
一緒に過ごす事が多かったのです。
モロッコは欧米諸国と一緒に「多国籍軍」として
イラクと敵対して戦いましたが、
イスラム教の国としての揺らぎを感じました。
欧州では聞かれませんでしたが
「あの戦争についてどう思う?」と時々聞かれました。
質問に対して、ある時期までは
「日本国内の考えでは、こうなんだけど…」と
自分の考えを出さずに答えていましたが…ある日
「聞きたいのは、日本の事ではなく、あなたの考えだ。
どっちが正しいと思う?」と聞かれて、ハッとしました。
「日本の政府は米国寄りだけど、私はそれが正しいとは思えない」と
初めて自分の考えを伝えると、
「分かった。あなたは友達だ」と
握手を求められました。
なるほど、この様な事なんだなと、腹落ちし、
それ以降は、周りに合わせるのではなく
自分の考えを優先して意見をする様に意識しました。
日本と中国だけでなく、世の中には
政治的に難しい問題が沢山あります。
しかし、テレビやマスコミのニュース
及び、ネットの膨大な情報や、
インフルエンサーの無責任な意見に振り回されず
「自分ならどう考えるか?」と
炎上に加担せずに、
流されずに向き合う人が増えて欲しいと願います。