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スペインの小さいねずみのペレス

5歳の息子の歯が一本ぐらぐらしてきました。どうやら生え変わりの時期のようで、成長を感じます。

息子が
「ママあ、歯が気になるよー。寝てる間に飲み込んじゃったらどうしよう。」 

と心配してるので、そんなん大丈夫よ!と言ったら、なんで?なんで大丈夫なの???と聞いてくる。

「今まで飲み込んだ人の話なんか聞いたことないもん。普通そんなことにはならないよ。」
と答えましたが、我ながら全く説得力がない。

そんな不安な息子にも楽しみが一つ。何故ならスペインでは抜けた歯を枕の下に置いておくとRatoncito Pérez(ラトンシート・ペレス)というねずみがやってきて、歯をプレゼントに交換してくれるから。

「何をプレゼントしてくれるんだろう、レゴ・テクニックかなあ♥」

とワクワクしてる息子。
歯一本ごとに巨大レゴひと箱買ってられるかと 

「いや〜ラトンシート・ペレスは小さいからなんか小さいものじゃないかな〜?キンダーエッグ(1€)とかさ、、」

とさり気なく期待度下げようとする母。

そんな話を何日か楽しく続けていたある夜、寝る前に息子がぽつりと 

「ママ、こうちゃんやっぱりラトンシート・ペレスに歯あげたくない。思い出だから。でもプレゼントは欲しいし、どうしよう。」

と深刻な面持ちで言い出した。

「じゃ枕の下に手紙置いておけば?歯は思い出だからあげたくないけどプレゼントは欲しいんですが、って書いたら分かってくれるんじゃないかな。」

と言ったものの、息子はプレゼントもらえるかどうかより、ペレスが勝手に歯を持っていってしまうんじゃないかと、むしろそのことをやたら心配している様子。

息子:「でも手紙は何語で書けばいいの?やっぱり英語かな。」

私:「スペイン語と日本語でいいんじゃん?なんで英語?」 

息子:「だって英語は世界誰でも皆分かるでしょ。ねー、ラトンシート・ぺレスって英語と日本語では何ていうの?」

と聞かれて、私もうーん。

「英語は、、そのまま訳すと"Little mouse Pérez"かなー?日本語だと『小さいねずみのペレス』かな。」

と言ったら、『小さいねずみのペレス』がツボだったらしく 

「ヒャハハハ、何それ、なーにが『小さいねずみのペレス』よ!!!🤣」

とその後20分くらい一人で大爆笑してました。彼の中でRatoncito Pérezというミステリアスな存在が、小さいねずみのペレス、というのはどうもしっくりこなかったらしい。

「でも日本では本当は何て呼ばれてるの!?」

としつこく食い下がられました。

Ratoncito Pérezはスペインとラテンアメリカだけの風習なんだよー(英語圏ではtooth fairyでペレスじゃないし)と言ってしまうと真実味が薄れる気がして、(サンタクロースばりの普遍性を壊したくなくて)、つい本当のことを言いそびれてしまいました。

ママからもペレスによくお願いしとくから!心配せんでいいよ、と言った手前、しっかり気持ちが伝わるように手紙を書くのを手伝うことにします。

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