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タイ(バンコク・アユタヤ)女一人旅 【アユタヤの祈り編】
今回、海外旅行に行こうと決めた後、なぜか気になりだしたアユタヤ遺跡。
実を言うと、「アユタヤ」がどこにあるのかもわかっておらず、ただただ「アユタヤ」というワードが自分の中で大きくなるという状態。
それで「こんなに気になるのなら、久々の海外はアユタヤ行こう!そうかアユタヤはタイにあるのか!」という流れでタイ旅行決定。
そして、実際に行ってみて本当に良かったと思っています。
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アユタヤにはいくつもの遺跡がありますが、今回私が訪れたのはこちらの目次の3箇所です。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン
アユタヤ王朝はビルマ軍に侵攻されるまで約400年栄えたそうです。
日本は一番長くて江戸幕府の約200年と考えると、長く続いた王朝だったのだなと思います。
その400年続いた王朝の、最初の王様によって造られたのがワット・ヤイ・チャイ・モンコンです。
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建物は途中まで階段で登ることができ、周囲を一望できます。
また、寝釈迦仏もいらっしゃり、静かに参拝していると心が洗われるようでした。
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ワット・マハタート
今回一番行きたかったのが、ワット・マハタート。
事前にアユタヤ遺跡を調べて一番心に残った場所です。
到着してまず、復元されたレプリカと眼の前の様子とを見比べて、当時どれほど美しく豊かな街だったろうと想像してしまう。
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半分以上が破壊されていました
もとの都の面影がそこかしこに残っています。
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同様の建物がいくつもありました
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またビルマ軍の侵攻を受けた際、盗賊たちが仏像の中に隠された金品を強奪するために、片っ端から仏像を破壊してしまったとか。
これは私の中でかなり衝撃を受けました。
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他の国へ侵攻するということ、みな豊かに暮らしたいということ、自分が信じる神仏とは違うものを信じるということ、それぞれの正義があること…。
正解のない問いが、次から次と浮かびました。
だからこそ、このワット・マハタートを見つめ続けている、木の根に取り込まれた仏像の優しく悲しい眼差しは、何を伝えようとしているのかと、とても心に残りました。
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ワット・プラシーサンペット
3代のアユタヤ国王の眠る場所です。
日がどんどん傾いて、空は夕陽の色。
人もまばらで、とても静か。
ここだけ時間がゆっくりと過ぎていくようでした。
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バンコクの賑やかな雰囲気も良かったけれど、この夕刻の静かなアユタヤがとても美しく、そしていろんなことを考えさせられる時間でもあり、いまこのタイミングで訪れることが出来たことに、心から感謝の気持ちがおこりました。
おわりに
世界にはたくさんの遺跡や遺産があって、きらびやかなものはいっぱいあると思います。
けれど私は、侵攻を受けて瓦礫の街となってしまった古都が、今このような形で残っていることが平和への祈りに思えました。
夕陽に照らされたアユタヤは、息をのむほど美しかったです。
宿に帰って、余韻に浸りながらさらにアユタヤのことを調べていたら、アユタヤとはサンスクリット語で「平和の都」を意味する言葉だと知りました。
どうか、世界が平和でありますように。