見出し画像

パシュート人生とは

「パシュート」はスピードスケートのチームパシュートから採りました。チームパシュートは3人組のチームが、風圧を受ける先頭を交替しながら、トラック8周してタイムを競います。競技時間は人生に比べればとても短いですが、チームの「競争力を生み出すダイナミズム」は競争社会を生きる現代人の人生と良く似ています。

また上の写真は、とある神社の神事に向かう神官の行列です。パシュートに比べてチームは大きいですが、人生モデルとして見れば、よく似たところが多々見て取れます。

人生100年時代における、エージング《熟成》を深掘りするための「人生モデル」として、「パシュート人生」を取り上げる理由を以下に述べます。

パシュートを人生モデルとする理由

  1. パシュートは、競争社会を生き抜く人々の最小単位である。
    リーダ、自分、同僚の3人組の協働体は、いかなる組織においても存在する。

  2. 目標を達成する任務は能力の順番に分担されるが、成果は平等に与えられる。

  3. チーム内の滑走のダイナミズムは、わが国伝統の人材育成プログラム守破離《しゅはり》と類似しています。
    「守」は先輩の教えに従う、「破」は先輩の教えを捨て新たな練習法を築く、「離」はチームを離れ、先行する新たなチームに移る。

  4. 青年、壮年と年を重ねつつ、チームを乗り移りながら、前を行くチームに移り、「生きる術」を学び「人間力」を磨く。この人生のダイナミズムをエージング《熟成》と呼びます。

  5. エージングの具体的な姿は、チームを乗り換えるたびに、心の畑に新しい種を蒔き、花を咲かせ実を結ぶことです。青年は大きな希望を胸に突き進み、壮年は自分と社会のために奮闘する。

  6. 老年期には、チームを作ることは稀で、あえて言えば「1人チーム」です。趣味や友達のグループは追いかけ合い競争する「パシュート」ではありません。

    「1人チーム」には、自分自身が群れのリーダである奴雁《どがん》なのだから、見習うべき先輩はいない。後に続く人々を導く「つとめ」だけがある辛い立場ですが、良いこともある。

  7. 老年期には「解脱」と言うボーナスがあります。

    老いを重ねると、自然に煩悩が衰退して解脱《ニルバーナ》する人が出てくる。解脱すれば、人生を俯瞰できるから、これまで見えなかったものが見える。若い時には成し得ないエージングの成果である。

    この成果をもとに後に続く人々を導けば、「奴雁のつとめ」も果たすことができるでしょう。

    江戸末期の儒学者、佐藤一斎翁の言志四録に「老いて学べば死して朽ちず」の一節がある。
    老いても、学びに精進すれば悟りが拓かれることを示唆している。

パシュート人生は、青年、壮年、老年のそれぞれの局面において、行政、企業、団体、学校あらゆる職場に見られる普遍的な人生モデルです。

最後までご覧いただき有難うございました。

#パシュート人生 #人生モデル #エージングということ #解脱

いいなと思ったら応援しよう!