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老年の回向《えこう》とは何か


回向は、覚者《覚醒した人》が善行の功徳を他者に振り向けることです。
分かり易く言えば、目に見えない社会貢献ですが、長寿社会の隅々でさまざまに行われている。

心と身体が絡む認知・介護問題は、これと言う有効な対策が無く社会に重苦しい暗雲を投じている。一つの対策として、老年にスポットライトを当てる「回向」を考えて見ます。回向は老年の存在意義を高め、社会に光明をもたらせる可能性がある。

認知・介護は、本来、身体よりも心の問題なのに、実際には信教との絡みで正面からの議論を避け、もっぱら健康論議で済ませる風潮が見える。

老年は、集団の先頭を行く身だから、論理的に見習うべき先達は存在しない。自ら「生きる意義・目標」を定める必要がある。健康はその次であり、「健康ならOK」ではないのです。

回向は、覚者が善行《ぜんぎょう》の功徳を他者に振り向ける「他者への思い遣り」です。これは人間らしい自然なハタラキで、信教の問題には係りません。

仏法が身近にある日本では、多くの老年が、自然に精進して覚者になります。覚者の生き方にもっと注目が集まれば、老年の評価が変わると考える。

【注記】覚者は、篤信家や妙好人とは違います。篤信家や妙好人は自然法則や人間の道理に通じているわけではなく、教祖の教えを信じて守る人です。

我が街のいのちを育む
「善行十階」

  1. 老年は、フィットネスを精進する〔功徳は、健康保険の節約〕

  2. 老年は、ボランティアをする〔功徳は、利他〕

  3. 老年は、学習する〔功徳は、時流に遅れない〕

  4. 老年は、仏道を実践する〔功徳は、探究心を伝える〕

  5. 老年は、先祖を供養する〔功徳は、感謝する〕

  6. 老年は、奴雁《どがん》を目ざす〔功徳は、利他〕

  7. 老年は、解脱《げだつ》する〔功徳は、般若の智慧〕

  8. 老年は、先達として後進を導く〔功徳は、利他〕

  9. 老年は、科学する〔功徳は、探究心を伝える〕

  10. 老年は、往生する〔功徳は、仏となる〕

老年は、このように善行《ぜんぎょう》を通じて、住む街の価値の向上に努め、その価値を住人に回向しています。

不運にも、床に臥す老年は4分の1です、4分の3は善行に励み回向して社会の一端を担っている。

老年は、社会と言う大きな船の舳先に立ち、船団の進む方向を先導している。老年のハタラキを表舞台に出して、社会的に評価すべきではないか。

最後までご覧いただき有難うございました。

#️⃣未来のためにできること#老年の回向#老年回向十階#善行









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