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[相続調停] 話し合いにならない、裁判も辞さない、を早期解決に転換する(準備編)
遺産分割調停(相続調停)が終わりました。
年末年始を挟んだために期間こそ引っ張りましたが、納得が行くまで裁判も辞さない、という状況からなんと2回で収束というスピード解決。
この記事ではこれから二次相続(両親没後のこども世代の相続)に直面する可能性のある方に、弁護士はもちろん書士の方にもお願いすることなく独力で遺産分割調停に向かい
あわや裁判まで行くかと思われたところから僅か2回の調停でスピード解決、早期収束に至るために気をつけたこと、また併せてもしこれがあればここまで拗れなかった…という反省点をお伝えします。
円満な遺産分割協議に向けてヒントを探す方に、拾えるものがあればと願っています。
調停に至る経緯
2024年6月に実母が亡くなり、父は16年前に他界しており今回は子どもだけの相続、いわゆる二次相続に直面することになりました。
わたしは三姉妹の長女で、実家には三女が両親と共に居住、病時のサポートや介護をしてくれていました。
2024年5月下旬に母が緊急搬送され、その際に膵臓癌がみつかり、余命宣告ができない状況、つまりいつ亡くなってもおかしくない状態である、との診断が出ました。
三女が「家で最期の看取りをする」と覚悟を決め、状態が落ち着いた頃に実家に連れ帰って、訪問医療、リハビリなどを導入する形で24時間体制の終末ケアがスタート。
そこから2週間余り。母は残念ながら帰天しましたが、姉妹や子ども、親族など存命の間に最期のお別れができたこと、本人の希望通り自宅で過ごしながらの最期であったことは不幸中の幸いだったと思っています。
話し合いが成立しない
実家に居住していた三女の他に、もう一人妹がいます(次女)。
私もなるべく病院や実家に足を運ぶ中で遺産分割については存命中の母の意向を汲む形で三女と話し合い、疎遠になっている次女と3人での話し合いは生前のうちは考えず、万が一があった時の後にしよう、と話していました。
しかしいざ残念な事態になった後に、話し合いをしたくてもどうにも進みません。
葬儀の後こそ3人揃ったものの、その後は事前に予定を擦り合わせてその時は行くと言っていたはずなのに、日が近づくに従って行けるかどうか分からない、行けないかも、と曖昧にして直前にドタキャン…の繰り返し。
四十九日の法要にも想定していない、10年単位で疎遠の従兄弟 (話し合いに同席させる目的で連れてくると思われた)と一緒じゃなければ行かない、と言い出す始末。
同席については不適切としか言いようがないけれど、一応従兄弟の母である叔母に相談したところ、「息子を相続の話し合いに巻き込まないでほしい」という申し出も得られたので同席はお断りすることに。
弁護士ならまだしも三者にとって等しく信頼関係があるとは言えない親戚を入れたいという時点で怪しいしかない。
話し合いに応じないなら、呼ばれたら断りようのない中立の第三者を入れよう
とはいえ本当に話し合いに応じる気はない、と客観的に言える時間ギリギリまでは待った方がいいだろうと思い直し、
目録と分割協議案の叩き台を文書で渡してから2週間程度の回答期限を設けて回答が出るまでは待機。
意見の対立は避けられず、当事者同士の話し合いでは解決できないと明確に判断できた段階で、年内、または遅くとも翌年春にはまとめるために調停申立をすることにしました。
調停申立は一人でもできる
調べてみると、調停の段階では弁護士に依頼しなくともなんとかなりそう…ということが分かってきました。
あくまで一個人の偏見であることをお断りしつつ申し上げると、士業の方にあまり良いイメージがなく…もちろん良い方も世の中にはたくさんいらっしゃるとは思うのですが、想定される成功報酬が…
えぐくないですか?
実際成功報酬は離婚調停より遺産分割調停の方がはるかに大きいでしょうし、人様の不幸をビジネスチャンスにするというのがどうにも納得行かず。
自力でできることなら当事者だけで解決できる範疇での収束を目指すことにしました。
なにが食い違っていたのか
揉める原因は割と良くあるパターンで
最後まで面倒をみた娘と
実家に寄り付かず冠婚葬祭で顔を合わせる程度、4〜5年単位で疎遠の娘
(+比較的中立の私)
・面倒をみた娘は生命保険の受取人に指定されていた。
・遺言はないが家は面倒をみた娘に遺したいという母の意向があった。
・これをズルい、と騒ぐ人がいた。
ということでして
・喧嘩になるくらいならお金にして均等に分けなさいと言っていた。
・一人だけ保険も家も行くなんてずるい(なぜずるいと主張できるのかの方が理解不能なのですが…)。
・土地建物も現金化して三等分に分けるべき
と主張する次女とは意見が折り合わず
折り合わないのはまだしも、何度話し合いの場を設定してもドタキャンを繰り返す。
兄弟姉妹間の二次相続の場合、一人でも「ずるい」と主張する人がいるとまとまらないんですよね…
そこに遺言はなかったのか
生前の根回しこそありましたが、遺言書はありませんでした。三女に遺したいというのは口頭では聞いていたので、当事者である三女としても遺言として形に残してほしいという気持ちはあったのですが、最後まで首を縦に振ることはなかったのだそうです。
介護に対する寄与分を考えてあげたい
遺産分割協議にあたり、私の主張はこれでした。
家族の介護は負担が大きく、いずれ高齢者施設は考えた方がいいと思っていたのですが、本人の希望と、それを汲む三女の存在があったので、同じことはできないけれどできる範囲で協力はする、というスタンス。
とはいえ日常生活の介助であったり、訪問医療やヘルパーさん、三女不在時に見守りを兼ねた食事の手配
外出や通院の同行で仕事に行けない日が出勤日の半分近く。これを何年も続けてきたとなると、均等で分割すればいいとはとても思えませんでした。
ですので所期の分割案は三女に寄与分を含める形で何パターンか叩き台を作成して、これに納得しない次女が調停、裁判の方がいいと言い出した、というのが調停に至る発端です。
調停に向かうにあたって
提出書類などは裁判所のサイトと、弁護士、司法書士事務所のサイトでしっかりした記事を上げているところのものを熟読しながら準備していきました。
新しいワードや必要書類を調べる度に出てくる全国の裁判所のサイトは読みまくりました。
それから調停に関する書籍は手元にあった方がいいと思います。最初は用語が頭に入らず読むのに苦労しましたが、少しでも読んでおいて良かったです。
申立書類については、一度目録と分割案を作っていたので、提出するぞ!と思い立って記入し始めたら
下書きなしで1時間もかからず完成。
提出時も、申立書類も添付資料も不備なし一発OKでした。
これをお願いすると書類作成だけで何万、下手すると10万以上するよね??
◯ったくりなの??
と
またもや不信感を募らせる場面もありました💦
なのできちんと調べて準備して向かえば、少なくとも申立までは自力でできるはず。
相手方の必要書類はどうするか
遺産分割調停申立に必要なので、と言えば、本人確認などは必要になりますが代理取得が可能です(代理取得に必要な資料については、出向く前に各市町村の該当部署に直接ご確認ください)。
そもそも調停申立をするから戸籍謄本、住民票を取って送ってね❤️と言ってすぐ対応してくれる間柄だったら話し合いで解決できてますって。
そんなこんなでようやく調停申立をして、調停の開始を待つことになります。
次の投稿で調停で実際に指摘されたこと、調停の間に起きたこと、収束のために動いたことなどお伝えします。
最後までお読みくださりありがとうございます❤️
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