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冷たくなったY子ちゃん

Y子ちゃん家に着いたら
すぐ和室に通され
そこにY子ちゃんが布団で寝ていた

その顔は、ほんのり笑顔で
ただ寝ているだけの様だったが
鼻の穴にも口にも
綿が入っていて正直怖かった

私の知ってるY子ちゃんじゃなかったから
涙は出なかった

近所の人もたくさん来ていて
皆、啜り泣きしていた

そうすると、Y子ちゃんのお母さんが
「絵恵ちゃん、Y子の手触ってあげて。
もう、冷たくなってしもて、嘘みたいやろ。
今まで仲良くしてくれてありがとうね。
Y子も絵恵ちゃんと遊んでもろて
ホンマに嬉しかったんやと思う。
ホンマ今までありがとね、、、」と
泣きながら、そう言ってきた

だけど、私は
青白くなったY子ちゃんが怖くて
手を触る事も出来なかった

薄情な友達だとY子ちゃんの
お母さんに思われただろう

私は、今までのY子ちゃんとの
遊んだ日の思い出や一緒に下校した事を
思い出してきた

それになにより、あのキャンプの日の
夜のビンタが最後の別れだったのだ

私は急にいろんな感情が
一気に込み上げてきて
大切な友達を
失ってしまった事に気付いた

お風呂から上がったあの感情は
なんだったんだろう

急に涙が溢れ出て
涙を拭いても拭いても止まらなかった

私にはもう1番仲のいい
友達はいないのだ

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