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Radio Chidorian #20
始まりましたRadio Chidorian。
ただの音楽好きが、気に入った新譜を中心に紹介していこうという、押しつけ型マンスプレイニング風 “読む” ラジオ番組です。
2025年になりました。今年もボチボチやっていこうと思いますので、よろしくお願いします。
この番組は、2023年の年末からポッドキャストの形で始まり、何だかんだで1年続いていますね。
そんなわけで新年ということもあり、ヘッダーの画像を新調しましたよ!
これまでは有りものの千鳥柄を貼り付けていましたが、これは完全オリジナルです。いかがでしょう。
2024年を回顧したりしようかとも思いましたが、紹介したい新譜がどんどんリリースされるので、いつも通りやっていきたいと思います。では始めましょう!
M-1 『Knockin’ Heart』 Hamilton Leithauser
1曲目はアメリカのシンガーソングライターHamilton Leithauserが今年に入ってリリースした『Knockin’ Heart』です。どうぞ。
Hamilton Leithauserhは1978年にワシントンDCで生まれ、1990年代にニューヨークに移住して以降、ニューヨークを拠点に活動しています。2000年にThe Walkmenを結成し、バンドが活動を休止した後、2014年からソロ活動を始めました。これまでに3枚のアルバムをリリースしていて、今回紹介した『Knockin’ Heart』は、3月にリリースされる予定のアルバム『This Side of the Island』からの先行シングルです。
「この曲は、疎遠になった恋人が、ハイになって家路に着きながら、おそらく聞いてはいない相手に向かって伝えたくてたまらないメッセージを歌ったものです。」というのは彼自身のコメントです。
アルバムを通して、Taylor SwiftyやEd Sheeranのプロデュースで知られるAaron Dessnerを共同プロデューサーに迎え、この曲も彼のアイディアで、ベースを3本使用しているそうですが、私には聴き分けられませんでした。
5年振りのアルバムになるので、この番組で彼を紹介するのは初めてですが、私は2019年頃から彼の曲を聴き始めているようです。Spotifyのお気に入り機能って、その曲をいつリストに追加したかがわかるんですね。
その時は素性も何も知りませんでしたが、彼の声も作る曲も、他の曲に混ざらない個性があって、思わず耳が行ってしまう魅力があります。3月のアルバムも楽しみです。
M-2 『Switch Over』 Horsegirl
さあ次は、Radio Chidorianではお馴染み、シカゴ出身の3人組ロックバンドHorsegirlの新曲です。『Switch Over』。
Horsegirlは、Radio Chidorian #14『夏の終わりのライブ・パフォーマンス・ビデオ特集』🔗 で紹介していますので、プロフィールなどはそちらを見てください。このMVが撮影された場所は、ライブ映像が撮られた会場と同じ所ですね。
Horsegirlのことはいつか紹介したいと思いつつも、当番組としては新譜が出ないとなかなかチャンスがなくて、ライブ映像がアップされたのを良いことに、特集をでっち上げたという経緯があります。とはいえ紹介した他の映像も良いものばかりなので、未見の方はこの機会にどうぞ。
今回紹介した新曲『Switch Over』は、2月にリリース予定のニューアルバム『Phonetics On and On』からの先行シングルです。実はこの曲の前に、『Julie』と『2468』の2曲が先行配信されています。
メンバーの内の2人がニューヨーク大学に進学したそうで、拠点を出身地シカゴからニューヨークに移し、彼女たちにとっては初めて自宅の地下室以外での曲作りとなりました。
プロデューサーに近年活躍の目立つCate Le Bonを迎え、2024年1月にシカゴの代表的なバンドWilcoの所有するスタジオで録音されました。Cate Le BonはWilcoの2023年のアルバム『Cousin』のプロデューサーでもあります。
良い意味でインディペンデント感満載だったバンドですが、彼女たちを巡る環境が様々に変わっていく中でどんな進化が見られるのか、ひとつの答えがニューアルバムの中にありそうです。
【ラジオなのに…】このMVはいいぞ! 『A Stone Only Rolls Downhill』 OK GO
昨年11月のRadio Chidorian #18🔗で突然始まった、“ラジオ番組"としては禁断のMV紹介コーナー。早くも2回目です。
今回は、ミュージシャンなのにMVに力を入れ過ぎて映像の人たちと思われがちだけど実は曲も良い、でお馴染みのOK GOが、今年後半に12年振りのアルバムをリリースするということで、最初の先行シングルのMVが公開されました。まずはそれをご覧ください。
いかがでしょう。64台のiPhoneを使って作られたそうですが、途中からどうやって撮影したんだか脳みそが混乱しますね。
8日間で1043以上のテイクを撮影して、最終的にそれを合成とか編集ナシでワンテイクに収めるという、いつものように気の遠くなるような作業をしています。
こちらで撮影の様子が少し見られます。せーのでタップしたりしてますね。
オフィシャルMVとしてはコロナ禍の時期に撮影された『All Together Now』🔗以来4年振りになるようです。もしOK GOのMVをご覧になっていなかったら、彼らのYouTube公式チャンネル🔗を覗いてみることをお勧めします。
M-3 『Keep Me Satisfied』 Jungle
次は、NewJeansのHanniちゃんも大好き、イギリスのネオソウル・バンドJungleの新曲です。『Keep Me Satisfied』
Jungleは、2013年にJosh Lloyd-Watson と Tom McFarlandの2人で結成され、最近、サポートメンバーだったLydia Kittoが正規メンバーとして加わりました。Hanniちゃんに限らず世界的にファンの多い人気バンドです。
今回の『Keep Me Satisfied』は、昨年9月にリリースされた『Let's Go Back』以来のシングルになります。
またMVの話になって恐縮ですが、この近作2本のMVは、木箱に入れられた人形が倉庫の中で人の目を盗んで踊り出す、という同じコンセプトで作られています。『Let's Go Back』のMVも貼っておきましょう。
途中でスローモーションになるところがありますが、昔はこういうシームレスにスピードが変化するのって技術的に難しかったので、私などはいまだにワクワクしてしまいますね。撮影時はおそらく流す音楽のスピードをその部分だけ早くしてダンサーに踊らせて、編集段階でスローモーションにしているんでしょうね。すみません。“ラジオ番組"なのに今回は映像の話が多過ぎますね。
JungleのMVはほとんどがこのように、音楽に合わせて踊るダンサーをワンテイクで撮影する、というコンセプトになっています。
音楽はもちろんダンスの質も高いので、ダンスファンの方も過去のMVをいろいろ見てみると楽しいと思いますよ。
M-4 『Dumb Ass Pop Song』 Milledenials
たまたまですが今回は、英米の比較的日本でも名前の知られたアーティストが並びましたので、最後はバリバリのアジア・インディーズで締めましょう。
2020年にインドネシアのデンパサールで結成された5人組エモゲイズ・バンドMilledenialsが、昨年末にリリースした最新シングル『Dumb Ass Pop Song』です。これは2月にリリースされる4曲入りEPの1曲です。
Web情報により5人組と紹介しましたが、この曲のMVを見るとドラマーがいなくて4人なんですよね。アー写も4人だし、ひょっとしたらメンバーの脱退などあったのかもしれません。
Milledenialsが演奏する曲はまさにエモーショナルなシューゲイズで、ハードコアだったりマスロックだったり、いろんなジャンルを吸収している感じがします。そんなごった煮をポップに束ねているのが、浮遊感のある女性ボーカルですね。ライブ映像を観ると、そのボーカルのNadyaさんがパワフルで且つキュートなんですよ。
小さいライブハウスで若い男性客が楽しそうにモッシュしているのを見たら、なんだか昔体験した地獄のような汗だくの地下アイドル現場を思い出しました。
日本でライブ演っても絶対盛り上がりますよ。是非誰か呼んでください!
というわけで、今回はMilledenialsの『Dumb Ass Pop Song』を聴きながら お別れです。また次回をお楽しみに。ごきげんよう。
※今回紹介した曲も含めて、これまで紹介した曲をまとめて聴けるRadio Chidorianのプレイリストを作っています。Spotifyのみになりますが、よかったらお聴きください。
2025年になったので、今回から新しいプレイリストにしました。