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星の彼方へ

私が中高生の頃に愛読していたマンガ家・星野架名先生が一昨年の4月に逝去されていたことを数日前に知った。
10月12日が誕生日で、生きておられれば今年で還暦だったとのこと。

自分が20代になってから自然と遠ざかり、30年近く星野先生のことを意識していなかったが、今年の12月に発売される書籍の報せをたまたま目にし、「遺稿」という文字が衝撃だった。



出版に向けての企画会議の前日に遺稿が見つかる不思議。
たまたまのことと言ってしまえばそれまでだが、何かの力が働いたと考えたくなる。
私も亡くなった人のことで、1日遅かった後がら大きく違っていたかもしれないという体験があって、霊的な導きがもたらされたのかもと思う。

星野架名さんの描く物語は、舞台は現代の日本だけど不思議なことが起きるファンタジーが多かった。
逝去について、読者の方のコメントに「作品があんな感じだから、ひょいと別の世界へ行っただけな気がする」というのがあって、その感覚がよくわかる。

「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者・水木しげる先生が亡くなった時、こんな哀悼歌を詠んだ人がいた。

「鬼の子を たづね踏み入る 君なれば 別れとはみず 木のしげる森」

あまりに見事で感服したものだった。


残念なことに私は短歌を詠む素養がないもので、真似をすることは出来ないが、もし星野先生が何処かへ行かれたとするならば、それは「星の彼方」だろう。

こういう気持ちの時こそ、彼方への想いと祈りを込めて平沢進さんの「ロタティオン」を聴くべきだな。遅れたけど。


星野架名先生、眩い世界とキャラクターをこの世にもたらしてくださり、ありがとうございました。

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