【選挙ウォッチャー】 奈良県知事選2019・分析レポート。
4月7日に行われた統一地方選の第2弾は、奈良県知事選です。昨年11月に和歌山県知事選があり、ひょんなことから大阪府知事選も行われることになったので、三重県知事選と奈良県知事選の結果が出揃うと、これから4年の紀伊半島の知事はすべて決まった感じになります。
荒井 正吾 73 現 知事
前川 清成 56 新 弁護士・元参議院議員
川島 実 44 新 医師・元プロボクサー
現職の荒井正吾さんは73歳ということで、おそらく今回がラストイヤーになるのではないかと思いますが、圧倒的に強そうなジジィに、56歳の元参議院議員がどこまで立ち向かえるのか。当初は共産党に推薦されるはずだった元プロボクサーで医師というアグレッシブな経歴の川島実さんは手弁当の厳しい戦い。奈良県もまた「保守王国」となっているため、圧倒的に荒井正吾さんが有利なのですが、どうなるでしょうか。
■ 打倒現職でまとまれなかった選挙
今回は、いろんなところで「保守分裂」が起こっていますが、奈良県知事選は「リベラル分裂」と言ってもいい選挙で、そろそろ引退した方がいい現職のジジィに、弁護士の56歳と元プロボクサーの44歳の2人が立候補する形になり、どちらも「自分が下りることはない」と突っぱねてしまい、一本化に失敗してしまった選挙だと言えます。前川清成さんの方には地元財界のバックアップがあり、当初、川島実さんをバックアップしようとしていたのは共産党で、さらに川島実さんは「万が一の時には一本化に協力する」という覚え書きに署名をしていたというので、客観的に見れば、引くべきは川島実さんっぽく見えるのですが、こじれてしまった原因は本人の問題というより、老害ジジィどもが候補者の気持ちに寄り添わず、自分のエゴを押し通そうとして、余計に事態を面倒臭くさせたせいだと思います。結果として、勝利よりもプライドが優先されるという微妙すぎる選挙になってしまったのですが、ジジィたちによるパワハラ的で強引な調整によって、まとまるものがまとまらなくなってしまったということを知った方がいいです。
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