【選挙ウォッチャー】 参院補選2022・石川県選挙区レポート。
4月8日告示、4月24日投票で、石川県選挙区の参院補選が行われました。この選挙は、先日の石川県知事選に参議院議員だった山田修路さんが立候補するために辞職したために行われるもので、福井県や山口県に匹敵するレベルの「保守王国」となっている石川県では、ある意味、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙となっていました。
しかし、それでも見どころがないわけではなく、立憲民主党から立候補している小山田経子さんは、7月の参院選にも立候補するとみられ、どこまで通用するのかによっては、夏が楽しみになるという選挙でした。
宮本周司さんは、全国の商工会の組織票で当選している比例区の人間でしたが、このたび国が与えられ、石川県選出の議員になったわけですが、今回の立候補にあたり、一度は自動失職となり、比例区ではネトウヨで新自由主義の山田宏さんが繰り上げ当選となりました。任期は2025年までの3年間とはいえ、山田宏さんは「そもそも人間としてどうかと思う」という議員なので、今回の繰り上げ当選は「最低の展開」だと言えそうです。
■ ノーマスク餃子屋潰しの主張
今回、「NHK党」なるものから立候補してきた斉藤健一郎は、堀江貴文の秘書という肩書きで、かつて広島県内の有名餃子店を訪れた際、マスクの着用を求められるも拒否。それなら入店を断るとしたところ、堀江貴文がネット上で信者に向けて犬笛を吹き、大量の嫌がらせが殺到し、夫婦で細々と経営していた餃子店の奥様が体調を崩し、閉店に追い込まれました。
その後、堀江貴文や斉藤健一郎は、一切の謝罪や反省もなく、今日ものうのうと暮らし、「NHK党」なる政党から参院補選に立候補してきたという具合です。選挙に立候補して、地元の新聞やFM放送局に出ることを喜びとしており、今日も「迷惑系YouTuber」として社会に迷惑をかけています。
参院選の後が崩壊のタイミングになりそうな「N国党(NHK党)」ですが、この「反知性主義」の「反社会的カルト団体」が、どれだけ社会的な害悪であるかは、この本にすべてまとまっていますので、詳しいことを知りたい方は、こちらをご参照ください。
当初は幹事長の黒川敦彦を擁立しようとしたものの、「その時に電話に出なかったから」という理由で、電話に出た堀江貴文の秘書・斉藤健一郎が立候補することになりました。
そして、この選挙には堀江貴文が直々に応援に入ってパフォーマンスをしています。今でも立花孝志と堀江貴文は「仲良し」で、堀江貴文も「N国信者」です。しょせん、立花孝志と同じ周波数の男だということです。
選挙に出るたびに問題を起こしているN国党ですが、今回の参院補選における一番の問題は、斉藤健一郎の政見放送だと思います。最近、ガーシーという暴露系YouTuberにハマっている立花孝志は、ここで流されている噂話をあたかも事実のように語り、よりによって政見放送で流しました。
まず指摘をしておかなければならないのが、政見放送の中で「ニュース速報」を流し、しかも、「本物の音」を使用しています。放送中に流れるニュース速報は、大きな事件や事故が起こったり、北朝鮮がミサイルを発射してきたり、のっぴきならないことを知らせるためのものです。
このような演出は視聴者が誤解しかねないため、コンプライアンスの観点から自粛するのがメディア人の常識ですが、立花孝志は「元NHK職員」と言いながらズブの素人なので、このような「コンプライアンス」をまったく理解していません。もっとも、政見放送内なので「コンプライアンスを守ってほしい」と言うわけにもいかず、そのまま垂れ流されてしまいますが、誤解をしてしまった視聴者は多かったかもしれません。
しかも、「NHK受信料割増金・年利200%の可能性が浮上」と書かれたテロップも、ますます誤解を与えます。尊師・立花孝志としては、誤解でも何でも自分たちを支持してくれれば良いと考えているのです。
しかし、尊師・立花孝志は、ものすっごく無能なので、目的とは真逆の結果をもたらします。この政見放送でも、立花孝志はテレビを持ったらNHKと契約しなければならない法律になっているので、契約していないと割増金を請求される可能性があることを説明しています。NHKにとっては、こんなに言いづらいことを勝手に宣伝してくれるので、立花孝志を泳がせれば泳がせるほど、NHKの受信料が増えていくシステムです。
しかも、この選挙期間中にきっちりとNHKの受信料をめぐる最高裁の判決が下されていて、立花孝志が踏み倒そうとした受信料4560円は「支払わなければならない」と命じられました。あれだけ「払わなくていい」と豪語しておきながら、裁判でキッチリと「払え」と命じられたため、どうあがいてもNHKの受信料から逃れることはできないことを立花孝志が証明してしまいました。たかだか4560円のために巨額の裁判費用を投じ、最終的に負けて帰ってきて、延滞金も含め、他人より多くのNHK受信料を払うのが立花孝志の流儀です。本気で「NHK受信料問題」をどうにかしてほしいと思っている人たちにとって、立花孝志は「敵」です。
この政見放送の一番の問題点は、人気俳優の綾野剛さんに対し、とんでもない名誉毀損になりかねない発言をしていることです。尊師・立花孝志は政見放送の中で、以下のような発言をしています。
尊師・立花孝志は、「綾野剛さんが17歳の少女と淫行した」と語り、しまいには「事実であることは証拠もついていますので間違いない」と断定しています。
この政見放送は石川県内に住む約47万世帯、約114万人に向けて放送されています。実際の視聴率はともかく、これこそ公共の電波を利用し、これだけ多くの人に根拠の乏しい噂話を流し、最終的に「間違いない」とまで言っているのです。生活に関わるすべてのことが政治に直結しているとはいえ、綾野剛さんのスキャンダルを解決すれば、国民の生活が1ミリでも良くなるのかと言ったら、まったくそんなことはありません。
立花孝志がやっていることは、政見放送を利用し、暴露系YouTuberがやっている「ガーシーチャンネル」の宣伝をするとともに、芸能スキャンダルで話題を獲得し、政見放送でこんな暴露をしてしまう立花孝志を面白がる層の1票をもらうためにやっているゲスな集票行為に過ぎません。N国党の勢力拡大のために、綾野剛さんに関する真偽不明の噂話を持ち出し、人々の興味を掻き立てようとしているのです。我が党の集票のために、これまで着実にキャリアを重ねてきた綾野剛さんの努力や才能を踏みにじる行為であり、断じて許すことができません。
今回の名誉毀損は、民事のみならず、刑事でも行ける奴だと思っていますので、綾野剛さんや綾野剛さんの所属事務所にもお役立ていただけるように勝手に証拠関係をまとめております。参院補選では名誉毀損の件、春日部市議選では公選法違反の件を追及しております。内容は少々マニアックになりますが、追い詰められるN国党を見たい方は必見です。
毎回、前半に「無料で読める部分」を用意するつもりなので、課金をしなくても、無料部分だけでも読んでいただければ幸いです。
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