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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#529)。

 人の「噂」の力をナメてはいけないと考えています。
 僕たち人類は、これまで「噂」によって、さまざまな過ちを繰り返してまいりました。
 例えば、関東大震災の時に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という噂が出回り、自警団なるものが作られ、たくさんの在日朝鮮人の方々が亡くなったことがありました。もちろん、井戸に毒を入れたわけでもないし、仮に毒を入れたからといって地震が起こることもありません。しかし、当時の人たちは噂を真に受け、さらに心の中に「差別の心」があった人たちが中心となって過ちを起こしました。
 確かにそうした歴史があって、各地で慰霊碑などが残っているにもかかわらず、今度は「関東大震災で朝鮮人が殺されたという事実はない」という話をする人たちが現れ、例えば、東京の小池百合子都知事は、お亡くなりになった朝鮮人に対して慰霊をすることもなくなりました。
 今、斎藤元彦を応援しているN国信者やN国信者予備軍のカモたちは、こうしたファクトに基づかない噂話を信じるタイプが多く、こうした人たちが吹かせる最大瞬間風速をバカにすることはできないと考えています。


■ 多くの人は物事を論理的に考えていない

 世の中が、もっと政治のことを真剣に考えている人たちで溢れているならば、この国は当選するべき人が当選し、当選すべきではない人たちは落選しているはずです。
 しかし、つい先日の衆院選で、東京24区では萩生田光一が勝ち、兵庫9区では西村康稔が勝っている国で、およそ正常な判断ができる有権者が大半を占めているとは思えません。
 つまり、兵庫県全体でおかしな判断をする可能性は十分にあり得るというわけです。では、どうしてこんなことが起こり得るのか。
 それは、「マスコミでは悪者として扱われてきたけど、本当は良い人かもしれない」という錯覚を生み出すことに成功しているからです。
 なぜ、このような錯覚が起こってしまうかと言うと、1つは「普通に考えたら選挙に立候補してこないだろうに、選挙に立候補していること」。人はどうしてこんなことが起こっているのかがわからない時に、ポジティブに解釈しようとします。まさに「何か信念があるのだろう」「本当はマスコミが言う話と違うのではないか」「まだやりたいことがあるのだろう」みたいな感じです。
 これは、N国信者が純度100%のアホである立花孝志のことを「頭が良い」と感じてしまう現象と非常によく似ています。
 今回で言えば、立花孝志は「県民局長が『不同意性交等罪』をやっていた可能性が非常に高い」という名誉毀損としか言いようがない発言をしていますが、これに対して我々は「マジでブタ箱入れ!」としか思わないけど、アホのN国信者どもは、「執行猶予中の立花さんがここまで言うっていうことは、きっと確かな情報を握っているのだろう」とポジティブに解釈してしまいます。しかし、実際のところは、「情報元からそう聞いた」程度で、何か裏取りができているわけでもありません。さすがにアホのN国信者も、一瞬ぐらいは「執行猶予中なのに、ここまで言って大丈夫なのかな?」と思うでしょうが、これもまた「よほど自信がなければ、ここまでのことを言わないだろう」とポジティブに変換し、実際はいろんなことが全然大丈夫じゃなかったから執行猶予中の身になっているわけで、「NHK時代は記者をしていた」という経歴さえホラッチョである立花孝志の話を、そのまま鵜呑みにしてしまう人間の方がよっぽどアホであると言わざるを得ません。
 そして、物事をポジティブに変換し、「斎藤元彦性善説」を語り合う会のフィルターバブルに入ってしまうと、そこから抜け出すことは、ほぼ困難となります。まさに今、「#斎藤元彦がんばれ」になっている人たちは、そのポジティブ変換(正常性バイアス)の成れの果てと言えましょう。

立花孝志のYouTubeチャンネルの登録者数と動画再生回数(引用元リンク

 日頃から「チダイズム」をご覧いただいている皆様は、今さら立花孝志が本当のことを言っているとは微塵も思わないことでしょうし、立花孝志の話がどれだけ信用ならないのかをご存知だと思います。口を開けば嘘と臭い息しか出てこない人間の何を信用するのでしょうか。
 ところが、兵庫県知事選に立候補し、「斎藤元彦性善説」を語り始めると途端に動画再生数とチャンネル登録者数が伸びています。あんな立花孝志のような人間の話を信じるバカがたくさん出た結果、チャンネル登録者が3万人以上も増えたことになります。
 また、グラフの伸び方を見ても、ピークアウトした様子はなく、おそらく最終日まで伸び続けることになると思います。これには僕にピッタリの
 そして、「斎藤元彦性善説」にハマった人たちは、いろいろな所で「斎藤元彦性善説」を語るようになるのですが、本当はバカがバカをこじらせているだけにもかかわらず、「自分たちこそ兵庫県知事選のことをよく知る詳しい人間だ」と考えるようになり、実際にそう振る舞います。
 もっと言うと、「自分たちこそ真実を知る人間だ」とさえ思っていますので、真実を何もわかっちゃいない人間に一言申してやろうという気持ちになり、アホが知ったような口を利き、僕のTwitterにも大量のバカが発生しています。
 彼らの特徴は、「自分こそ真実を知っている人間だ」と思い込んでしまっているので、自分以外がアホに見えてしまいます。ふと気づいた時に、自分のまわりに並んでいる奴らのラインナップが、立花孝志、高橋洋一、統一教会の担当弁護士などである時に、普通は「立花孝志と話が合うなんて、自分の立ち位置、おかしなことになっているんじゃないか?」と不安に駆られると思いますが、知性が終わりを迎えている皆さんにとっては、立花孝志でさえ頭の良い人だと感じているので、いろいろなポイントを過ぎて、脳味噌をアハつかせた上、Twitterなどでウザガラんでしまうのです。
 そして、この「斎藤元彦性善説」は、アホのネット活動により、あらゆるチャンネルで拡散しています。YouTubeやTwitter(X)、TikTokなど、さまざまな媒体を通じて拡散されているのですが、その拡散の仕方が独特です。
 例えば、Twitterで言えば、99%はフォロワー3ケタ以下のゴミみたいなアカウントばかりです。当然、これではまったく発信力を持たないので、自身で拡散することはできないのですが、斎藤元彦を否定するアカウントにいちいち返信し、まるでコミュニティーノートのように「斎藤元彦性善説」をつけて回っていくという手法を取ります。
 こうすることで、まるで斎藤元彦を批判している人間が間違えていて、真実を語っているのはコチラ側であるという演出ができ、事情を何も知らない人たちが見た時に、「最後に否定している方が正しい気がする」という現象が起こり、なんとなく斎藤元彦側になびいていくということが起こります。
 もちろん、リテラシーの高い人たちが見れば、なびいていくようなことはないのですが、世の中の9割は政治に無関心なので、事情を知らないまま流されていくことは、けっして珍しくありません。
 これに対抗するためには、いちいち反論していくことが大切で、ファクトチェックをして、例えば、「パワハラをされたという証拠はない」などというクソしょうもないデマを流している奴がいれば、「パワハラがあったことは斎藤元彦本人が認めているし、県職員のアンケートからも明らかだ」ということをいちいち書いていかなければならないし、元県民局長の男性がお亡くなりになった理由はパワハラではないという話にも、いちいち「遺書が残されている時点で、他の理由にならない」ということを伝えていかなければなりません。遺書には明確に「死をもって抗議する」と書かれているにもかかわらず、「本当は不倫だって言えないじゃないですか!」のアホは、脳内で繰り広げられている妄想を事実として扱うタイプです。
 しかし、問題は「斎藤元彦性善説」を唱えている情弱のアホどもが、そもそも情弱でアホだから立花孝志の動画を見て絶賛しているのに、「自分たちはこの問題に詳しい人間」というテイになってしまうので、今回の兵庫県知事選を何も追えていない人たちに、「詳しい俺ちゃんが教えてあげよう」になってしまい、「斎藤元彦性善説」を語り、それを聞いた人がなんとなく斎藤元彦に投票してしまうことは十分にあり得るということです。


■ 斎藤元彦に風が吹いている

 多くの方は、「さすがに斎藤元彦が勝つことはないだろう」と思っているかもしれませんが、現状、斎藤元彦は「風が吹いている」と表現できるぐらいに猛追しています。つまり、逆転する可能性は十分にあるということになります。
 これは稲村和美さんが斎藤元彦に対して垂直に当たっていないことに加えて、「斎藤元彦性善説」が急速に広がっていることが原因で、新型コロナウイルスと同様、こうした言説が指数関数的に増加してしまい、現在は手の施しようがないところまで来ているということです。
 こうなってしまった原因は僕にもあり、初日の第一声から入ることができなかったため、立花孝志が撒き散らす「斎藤元彦性善説」が、いかにデマであるかということを即座に対応して発信できなかったことが大変に悔やまれます。最終的に斎藤元彦が落選して、結果オーライになることを願っておりますが、現状、斎藤元彦が当選する可能性はどんどん高まっていると思います。これは「斎藤元彦性善説」が、ほとんどデマであるにもかかわらず、収拾ができないくらいに広がっていることが原因です。
 兵庫県知事選を憂う皆様は、めちゃくちゃ面倒臭いかもしれませんが、湧いてきたアホを一つ一つ否定し、こいつらがいかに間違えているのかという話をどんどん出していかなければなりません。どう反論すればいいのかがわからないという人もたくさんおられると思いますので、明日からウザガラんできたアカウントを一つ一つ拾って解説をします。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 落選させるべき敵がいた時に、どうすれば勝てるのか。
 これは衆院選の「東京9区」や「東京11区」の戦いにも学ぶことができます。東京9区ではカニメロンでお馴染みの菅原一秀、東京11区では統一教会とズブズブの裏金壺野郎の下村博文が立候補しており、それぞれ対戦相手としては「けっして弱くはない」という相手でした。

 それぞれ単品購読も可能なので、ぜひ参考にしていただきたいですが、大切なことは、候補者がストレートに相手候補の批判をした上で、自分の政策を語ることです。この時に笑顔で訴える必要はありません。

 逆に失敗した例もあります。東京24区では、落選させるべき萩生田光一を当選させてしまいました。この原因は、選対が自分たちのやりたいことを優先させてしまう「おっぺけ選挙」だったこともあるのですが、有田芳生さんもまた、相手候補を積極的に批判することはありませんでした。
 斎藤元彦は、独裁的なパワハラ政治をしてきました。相手を脅すことでしか人を動かすことができなかった無能です。だからこそ、こんな奴を再選させてはならないのですから、ストレートに「パワハラは許さない」と言わなければなりませんが、最も肝心の部分が弱いので、稲村和美さんがいまいち伸び切れていない選挙になっています。
 斎藤元彦陣営は「パワハラはしていないし、お亡くなりになった県民局長も別の理由でお亡くなりになっている」と主張しているため、これまでの百条委員会のやり取りの中でも「パワハラがあったことが確認でき、県民局長が遺書に『死をもって抗議する』と訴えていることからして、これをなかったことにするようなことがあってはならないし、これは重要なポイントだと思う!」とキッパリと断言する必要があり、演説の中にこうしたフレーズを入れた街頭演説の動画を拡散することが何よりも大切です。
 さらに付け加えるならば、「県民局長の内部告発が名誉毀損だったと言っている人がいますが、名誉毀損にはあたらないことを兵庫県警が判断しているし、そのやり取りも百条委員会で明らかになっています」と言わなければならず、稲村和美さんがストレートに訴えることで、斎藤元彦側のデマを無効化することができると思います。

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