【選挙ウォッチャー】 茨城県議選2018・牛久選挙区レポート。
今国会で大きな話題となっている出入国管理法の改正問題。山本太郎議員の牛歩も虚しく可決することになってしまったのですが、外国人を奴隷のような労働環境で働かせることを正当化するような法案が成立してしまい、このまま外国人に対して非人道的な処遇を続ければ、将来に大きな禍根を残すことは間違いありません。牛久市には東日本入国管理センターの収容施設があり、逃げ出した外国人たちを「不法滞在」として扱い、病気になっても病院に連れて行かず、まともなメシも食わせず、極めて劣悪な環境に置く組織が存在します。本来であれば、こうした問題に地元の議員が取り組み、人権を取り戻すべきだと思うのですが、ここから立候補して当選した議員たちは、地元で起こっている極めて深刻な人権問題を無視する人たちです。
山岡 恒夫 68 現 自民党
谷口 誠一 72 新 共産党
沼田 和利 42 新 無所属
今年から定数が1から2になり、3人が立候補している選挙になります。これまで県議を5期務めてきた大ベテランの山岡恒夫さんは相変わらず強いはずなので、残り1議席を共産党の谷口誠一さんと沼田和利さんが争うということになりそうです。沼田和利さんは前回の選挙で山岡恒夫さんに肉薄し、わずか342票差まで詰め寄った実績があり、順調に行けば沼田和利さんが勝ちそうな情勢です。ただし、牛久にある東日本入国管理センターの人権問題に取り組んでいる取手市の上野高志さんが大ピンチになっているので、せめて牛久市で共産党の谷口誠一さんが選出されれば、バトンを引き継ぎ、そのまま東日本入国管理センターの人権問題に取り組めるかもしれません。谷口誠一さんが勝利し、人権問題を前に進められるかどうかという意味で、こちらも地味に重要な選挙区となっています。
■ 牛久シャトーが閉鎖される問題について
今、牛久で最も関心がある問題は、「牛久シャトー」が年内でほとんどの営業を終了してしまうということだと思います。牛久の代表的な観光地となっていた「牛久シャトー」なのですが、最近はあんまりお客さんが入っていなかったようで、いよいよ資料館だけを残し、飲食施設やお土産屋さんは閉店することになってしまったのです。これだけ外国人観光客がやって来るようになって、どこもかしこもインバウンドの恩恵を受けている中、茨城空港もオープンしたのに、成田空港からもそれほど遠くない「牛久シャトー」には全然お客さんが行かなかったということになります。継続を望む声もあり、一部では署名活動も始まっているようですが、今も観光客が絶えない施設であれば、こんな日が来ることはなかったことでしょう。
そして、これは牛久にとって大ダメージです。ただでも観光に行く場所が少ない中で、代表的な観光資源を失ってしまったに等しいわけですから、復活させるのも、新しい観光施設を作るのも大変です。そして、どうしてこうなってしまったのかと言えば、議員がろくすっぽ仕事をしなかったからです。国や県から予算を引っ張ってきて道路や河川の整備に一生懸命で、観光客を呼び込んで町の収入を増やすことには力を入れなかったため、どんどん貧乏な町に成り下がろうとしているわけです。「継続してほしい」と願う前に、自分たちがクソみたいな議員を生み出してきたことを反省するべきかもしれません。
本当だったら社会で通用するレベルではないオッサンが新たな就職先として議員をやっている現実がある以上、地域経済の活性化を真剣に考えず、取り返しのつかないところまで放置してしまう性質は変わりません。僕が今回、熱心に取材した9エリアの茨城県議選のうち、牛久市選挙区を早めに出そうと思った理由は、閉店してしまう前に、この「にごりワイン」というものを皆さんに味わっていただきたいからです。けっしてワインが大好きなわけではない僕が、これだけは何度も飲みたいと思ってしまうほどの美味しいワインが、おそらく閉店するギリギリまで飲めます。ぜひこのチャンスを逃さずにいただきたいと思い、このレポートを先にリリースしました。
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