【選挙ウォッチャー】 阿久根市長選2022・分析レポート。
12月11日告示、12月18日投票で、鹿児島県の阿久根市長選が行われました。
今回、わざわざ鹿児島県まで取材に行ったのは、阿久根市長選が圧倒的にパチキレていたからで、うっかり間違ってヤバい奴が当選しないかどうかを確認するために、1週間で3000km以上を激走。田中慧さんが南大隅町長選に立候補した時以来の鹿児島入りとなりました。
この選挙における一番の見どころは、かつて「ブログ市長」として話題になった竹原信一が、間違って当選しないかどうかです。
竹原信一は、元航空自衛官で、市長時代はかなりの独裁で、市役所の職員のクビをガンガン切っていくし、何事も専決処分で決めるし、自分の親族の会社が最低落札価格の1円差で工事を受注するなど、非常に多くの問題があった人物です。
そして、何より書いておかなければならないことは、2013年に「NHKから国民を守る党」の初代最高顧問に就任していることです。
竹原信一は「障碍者は出生時に淘汰されるべき」という内容をブログに投稿し、炎上したことがあります。しかし、それはまさに尊師・立花孝志も似たような考えを持っており、意気投合することは容易に想像できます。
近年、こうした考えを持つ極限のアホが政治家になっていることに、僕たちは気づきませんでした。これがこの日本の衰退の原因です。あんまり興味がないかもしれませんが、「バカに政治をやらせてはいけない」ということを、もっと真剣に考えなければならないのです。
■ 中面幸人候補の主張
中面幸人さんは、70歳の優しい感じのオッチャンです。
会って話した感じは、とても穏やかで、国民年金生活者への支援、民生委員や児童委員への助成支援、ゴミ出し困難者のゴミの戸別収集など、かなり優しめの公約を掲げておられます。
限られた予算の中で、果たして、どこまで実現できるかという話はありますが、税収の柱としては「ふるさと納税」を見込んでいます。「誰もが生涯現役で暮らせること」を政治思想の柱としていました。
田舎ならではの油断なのでしょうか。中面幸人さんは70歳なのに、ノーマスクで活動していました。猛烈な勢いで第8波が襲いかかる中、選挙でたくさんの人たちを触れ合うのに、ノーマスクをかましているというのは、だいぶヤバいです。
ちなみに、マスクを正しく着用できているのは白石純一さんだけで、他の3人は現職も含め、マスクをしていません。特に、中面幸人さんが70歳だということもあり、それに伴って支援者たちも同年齢にもかかわらず、スプレッダーになる覚悟で活動しているのですから、日本の新型コロナウイルス対策が遅々として進まない理由が、こんなところにも垣間見えます。
かなりラッキーなことに、偶然にも選挙事務所にいるところを直撃することができ、中面幸人さんの写真を撮ることができました。しかも、合わせてなかなかの『チダイズム案件』に遭遇。
中面幸人さんが、選挙カーに乗って街に繰り出していくのを、選挙事務所に集まったスタッフや支援者たちが見送っていたのですが、ちょっとホゲホゲした感じのおじいちゃんが、片足しか靴を履いていなかったので、「じいちゃん、大丈夫? なんで片足しか靴履いてないの?」と声をかけることになったのですが、そこで衝撃的な答えが返ってきました。
「ダルマの目の一緒」。
選挙では多くの陣営で、出陣式の時にダルマの片方に目を入れて、当選した時にもう片方の目を入れる願掛けをします。爺ちゃん、「中面さんが当選した時に両方履きます」と話していて、ダルマの願掛けを靴で表現するという、めちゃくちゃ斬新なことをしていました。
爺ちゃん、それはダルマでやってくれ!
確かに、中面幸人さんが当選しないと、爺ちゃんが両方の靴を履けないので、可哀想だから靴を履かせたい気持ちになって、中面幸人さんに1票入れたくなるかもしれません。しかし、何より心配なのは、もし願いが成就しなかったらどうするのかということです。ダルマの場合は、願いが叶わなかったら、もう一つの目を入れることができません。靴でやってしまうと、爺ちゃんの生活がだいぶ不便になる気がするのですが・・・。
中面幸人さんは落選しました。
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