【選挙ウォッチャー】 静岡市長選２０１９・分析レポート。

今回は、札幌、相模原、静岡、浜松、大阪、広島と６つの政令指定都市で市長選が行われ、実は、この６つの市長選すべてを追いかけました。選挙ウォッチャーの活動を自粛している最中ではあったのですが、キートスで皆さんに買っていただいた「青春１８きっぷ」が残っていましたがので、せめて静岡市長選と浜松市長選は見ておく必要があると思ったのです。

田辺 信宏　５７　現　自民党推薦
天野 進吾　７７　元　旧静岡市長
林 克　　　６３　新　共産党推薦

ぶっちゃけた話、旧静岡市長が立候補しているものの、７７歳と非常に高齢のため、自民党推薦の現職が負けるとは思いません。林克さんも共産党なので脅威ではありません。ということで、この選挙は「やる前から結果が決まっている」と言っても過言ではなく、時間いっぱいまで追いかけたいと思っている僕としては、サクッと取材して、次なる地に旅立ちたいところではあります。しかし、意外と内容の濃い取材はできていると思います。

■ 天野進吾候補の主張

けっこうなジジィであり、取材をした限り、それほど強い候補には見えなかったのですが、想像以上に強くて驚きました。静岡市は清水市と合併することになり、政令市として非常に広い面積をカバーすることになってしまったのですが、天野進吾さんはまだ小さかった頃の静岡市長であり、それなりに実績と信頼があるそうです。田辺信宏さんの政策には賛否あり、特に静岡県知事との不仲は有名なところで「これではいけない」という声があるようです。だから７７歳と高齢の天野進吾さんに立ち上がってほしいという声があるわけで、桜ヶ丘病院の移転計画凍結、清水病院の機能強化、新清水庁舎の建設計画凍結と、田辺信宏さんのやり方に異を唱えています。

天野進吾さんのスケジュールは分からなかったのですが、偶然にも林克さんの街頭演説を見るためにタクシーに飛び乗り、現場に向かったところ、偶然にも天野進吾さんを発見することができました。音喜多駿センセイをニートに追い込んだ東京都北区の花川輿惣太さんは御年８４歳。投票日が誕生日だったので、まさに最高齢の首長ということになろうかと思いますが、まだまだお元気そのもの。一般人にスラップ裁判を仕掛けるほどにクソである音喜多駿センセイが北区長になるようなことは避けたいので、花川輿惣太さんには是が非でも任期をまっとうしていただきたいと思っているところなのですが、そう考えると７７歳がまだまだやれる年齢に思えてきます。ちょっと前までは７７歳と聞くと「ジジィじゃねぇか！」と思ったものですが、令和は口々に「人生１００年時代」と言われていますので、頭脳が衰えていなかったら市長はできるのだと思うようになりました。

天野進吾さんは「アイディア市長」として有名だったようで、大道芸ワールドカップの創設、井川スキー場の開設、静岡市１００周年美術館を「モネの睡蓮」の展示で大成功を収めたなどの実績があり、静清バイパスを反対地権者と自らの膝詰め交渉により解決に導いたとしています。天野進吾さんの公約は、東静岡駅周辺はセントラルパークにする、清水港・三保半島周辺を海洋レジャーの聖地にする、富士山静岡スタジアムを実現する、子供の医療費を無償化するです。どちらかと言うと、地域経済のことを優先して考えているタイプであると言えるかもしれません。

なかなか敏腕な市長として名を馳せていたそうで、いい感じだったのに市長を辞めたのは、国政に挑戦したから。１９９６年に衆院選に挑戦するも落選し、それからは県議として今日の今日まで活躍していました。最後に一花咲かせたいと自民党から５年間の復党禁止の条件付で除名処分を喰らっても、今回の市長選に立候補することに決めたようです。

ジジィになっても衰えぬ野心。僕もそういう人間でありたいと思いますが、自らマイクを握って有権者に訴えており、バイタリティーに溢れています。いい戦いをするためには野党から立候補するのではなく、保守分裂のパターンしかないのかもしれませんが、天野進吾さんを応援しようという人は多かったようで、けっこうな善戦をしていて驚きました。