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【選挙ウォッチャー】 匝瑳市議選2022・分析レポート。

 10月23日告示、10月30日投票で、千葉県の匝瑳市議選が行われました。定数18に対して21人が立候補しましたが、最大の注目は、NHK党から立候補した26歳の若い男性が当選してしまうことがないかどうかということになります。
 NHK党が「反社会的カルト集団」であるということは、これまで4年間戦ってきて、本まで出版して皆様に警鐘を鳴らし続けておりますが、まだまだ知られておらず、26歳のイカれた若者が出てきても票を集めてしまいそうな状態になっていました。10月23日投票の草加市議選では、N国信者の「鬼スベりピエロ」こと河合悠祐が当選し、連敗カウンターが振り出しに戻されてしまいましたので、再びコツコツと連敗カウンターを回していかなければなりません。

 今回の結果を受け、僕は深く反省をしました。
 理論上は、ほぼ当選が難しいと考えられていたNHK党の近藤魁人が、黒川敦彦らの読み通り、本当に「ワンチャンある」という感じで、わずか4票差で当選してしまったのです。
 4票差であれば、僕がキッチリと落選運動をしていれば、ギリギリで防げたかもしれないのに、僕は「理論値からして当選は難しい」として、他の選挙の取材に集中していました。しかし、草加市議選に続き、匝瑳市議選でも当選してしまったことで、NHK党が依然としてカルトとして認識されていないことがわかりました。
 例えば、今のご時世に「統一教会党」というものがあって、自民党と仲良くできないなら自分たちで政党を作るんだと言って、匝瑳市議選に候補者を擁立してきたとして、そいつがいくら26歳の若さで一生懸命頑張っていたとしても、「若いのに頑張っているから」という理由で1票入れるのかという話です。やっぱり「そうは言っても統一教会だから」ということで投じない人がほとんどだと思います。しかし、統一教会ほどは反社会的カルト集団であることが報じられていない「NHK党」は、まだまだ「若いのに頑張っているから」で投票する人がたくさんいるのが現実です。
 もはや「何もしなくても悪は淘汰される」ということはありません。しっかりとした落選運動を展開しなければ、今後もNHK党は幅を利かせることになるでしょう。これ以上、カルトを増やしてはなりません。


■ NHK党には落選運動をする必要がある

「若さ」以外にウリにしているものが何もなかった近藤魁人

 今回、匝瑳市議選で近藤魁人が当選したことは、参院選で「ガーシー」が当選するよりも大きなインパクトがあります。というのは、世の中の人たちは、東谷義和が国会に一度も出席したことがないクソであることを知り、かつ、尊師・立花孝志に東京高裁が「懲役2年6カ月・執行猶予4年」の判決を下してなお、NHK党のアホが当選しているからです。
 これはつまり、「NHK党がどんなに悪いことをしていても、NHK党に投票しようと思える」ことを示しており、今後、立花孝志や東谷義和がどれだけ不祥事を起こしても、NHK党にダメージがないことを意味します。なので、NHK党に関する酷いニュースがどれだけあっても、それとは関係なくNHK党に投票する人が増えていることを意味します。
 アホの子たちから「NHK党」が支持されている理由は、「アホの力で議席を獲得したこと」です。前回の参院選では、参政党も1議席を獲得しているし、れいわ新選組は3議席を獲得していますが、いずれもアホの力によって議席を獲得したわけではありません。陰謀論を主張している時点で参政党もアホではありますが、それでもアホをウリにしているわけではありませんでした。アホをまともに見せて戦っていたのが「参政党」で、アホを全開にして、大きな声で「俺はアホだー!」と叫びながら国会で議席を獲得したのが「NHK党」です。ここに大きな違いがあるわけで、全国の同じ周波数のアホが大感激しているわけです。

近藤魁人の当選を喜び、「緊急で動画を撮影した」という尊師・立花孝志(引用元リンク

 実は、「ガーシー」こと東谷義和が当選して以来、選挙に参加するN国信者には大きな変化が生じており、昔よりも「純度の高いアホ」が集まる傾向にあります。昔のNHK党は、大橋昌信のように「NHKの集金人を撃退する」と豪語する攻撃的なオジサンのアホが中心でしたが、最近は「NHK党が面白い」と言って、黒川敦彦を中心に運営されているLINEグループを中心に集まってくる「純度の高いアホ」が中心になり、どいつもこいつも僕に挨拶をしてくる奴ばかりです。「ちだいさんがどれだけ批判しようと、私たちは私たちで好きなことをするんです!」という感じで、気質としては非常に「参政党」っぽいです。「邪悪で攻撃的なアホ」から「従順でシンプルなアホ」に入れ替わっています。

新参のN国信者たちが、選挙を戦い、勝つことを楽しむようになりつつある

 N国信者の選挙戦略は、確実にレベルアップしています。
 連敗していた頃のNHK党は、地方選の仕切りが、何一つ仕事ができない無能の大橋昌信だったため、有効な選挙戦略を示すこともできず、ボランティアのやる気に任せるだけでした。
 ところが、「つばさの党」の躍進を狙う限界左翼出身の黒川敦彦が幹事長に就任し、地方選挙を仕切るようになり、今回の野田市議選での成功体験をトレースすることに成功。SNSを使って信者離れを防ぐことにも成功しており、昨今の「ガーシー効果」もあって、新参のN国信者たちのモチベーションは高く、「田舎では勝てない」という地政学の壁を壊し、今後も一定の票を獲得するとみられます。

スマホで動画を撮影し、匝瑳市民に向けてアピールする浜田聡

 ガーシーこと東谷義和の当選で息を吹き返し、テンション高く選挙を戦うようになってしまった「NHK党」に対し、「NHK党」を民主主義を破壊する危険なカルト政党だと認識している人たちがどうかと言えば、参院選のあり得ない結果に失望し、やる気をなくした人々がほとんどで、それでも警鐘を鳴らし続ける人は、さらに少なくなりました。
 尊師・立花孝志のYouTubeのチャンネル登録者数が54万人、黒川敦彦のチャンネル登録者数が24万人、熱心なN国信者の堀江貴文のチャンネル登録者は152万人となっていて、ここに東スポやデイリースポーツといったメディアが提灯記事を書く体制になっています。かなりたくさんの拡散能力を持つN国勢力に対し、僕のYouTubeのチャンネル登録者数はたったの1050人です。これではまったく戦いになりません。
 今後、NHK党の当選を阻むためにはどうしたらいいか。空中戦は完全にNHK党の支配下にあるため、こちらが旧式の戦闘機を1つ飛ばしたところで勝てるはずがありません。となれば、こちらは徹底した地上戦を戦うしかありません。立てる日はとにかく駅頭に立ち、そして、大々的に落選運動を展開していくしかありません。ひたすら駅頭に立って、こちらも政治活動をするしかないのです、「#NHK党に投票してはいけません」という。


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