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【選挙ウォッチャー】 京都府議選2023・京都市東山区レポート。

 3月31日告示、4月9日投票で、京都府議選が行われました。
 この京都市東山区の定数は1で、立候補したのは、自民党の現職と共産党の新人の2人でした。昔は共産党も強かったのですが、共産党の党勢は衰えており、このような構図になった時点で、なんとなく選挙の結果がわかってしまうようなものになっていました。
 ただ、共産党が最高だとは言いませんが、「自民党で良いのか」ということは、改めて考える必要があるのではないでしょうか。昨今、共産党にネガティブなイメージが付きまとうのは、アホのネトウヨによる活動の成果だと言っても過言ではありません。何か間違えたことを言い出したわけでもなければ、不祥事を起こしているわけでもありません。なんなら、自民党の方が圧倒的に不祥事だらけなのですが、世間は「共産党の方が悪い」となっています。これがネット上の言論の力です。

荒巻 隆三 50 現 自民党
喜多村 出 71 新 日本共産党

 今回は2人しかいない上に、ポスターをもとに、候補者のご紹介をするだけになっています。なので、無料部分では「京都の問題点」について、まとめてまいりたいと思います。
 2月4日には京都市長選が行われますが、とても重要な選挙なので、ぜひ京都の問題を参考にしてもらいながら、誰に投票するべきかを考えていただきたいと思います。


■ 京都市東山区・選挙ボード解説動画


■ 災害大国ニッポンと長いトンネル

能登半島地震で崩れてしまった石川県七尾市の家屋

 言うまでもありませんが、日本は「震災大国」です。
 震度7クラスの巨大な地震が日本全国で起こる可能性があり、東日本大震災以降も、熊本地震、北海道胆振地方の地震、能登半島地震と、この10年を見ただけでも災害に見舞われています。震度5強ぐらいの地震なら、もっとたくさんありますし、そのたびに新幹線は止まり、新幹線の中で一夜を過ごすことも珍しくありません。今回の能登半島地震でも約1400人が新幹線の中で一夜を明かさなければならなくなりました。
 しかし、新幹線の中で寝るだけであれば、まだマシです。2004年の新潟県中越地震では上越新幹線が脱線。2011年の東日本大震災、2022年にも福島県沖の地震が発生し、東北新幹線が脱線しました。新幹線が脱線してしまうと、新幹線を動かすことができなくなるので、その乗客たちは徒歩で脱出することになります。過去3回にわたって脱線している以上、新幹線が脱線しないという「安全神話」は崩れていると思いますので、徒歩で脱出しなければならない事態になることがあるということは頭の中に入れておかなければなりません。
 実は、京都に通そうとしている北陸新幹線とリニア中央新幹線は、ともに地下深くにレールを敷く計画です。京都市内のように市街地の地下であれば脱出用の階段を作ることも可能かもしれませんが、少なくともリニア中央新幹線は山岳地帯をトンネルで突っ切る計画なので、脱出するための道というものが確保されていません。
 例えば、長さ10kmのトンネルで電車が止まることになれば、その真ん中の地点なら最低でも5kmは歩かなければならないことになります。片側の出口が封鎖されるようなことがあれば、もっと長い距離を歩かなければならないことも想定されます。
 柏駅から松戸駅までが11kmです。松戸駅から柏駅まで歩いたことがありますが、なんだかんだで5時間ぐらいかかります。僕は日頃から「歩かせ隊」のせいで、1日1万歩以上をノルマに歩く健脚ですが、高齢者や子どもが乗ることも十分に想定され、10kmを脱出するというのは、かなりの難易度だと思います。かと言って、車で入って行くようなこともできないのですから、防災の観点で考えたら、北陸新幹線やリニア中央新幹線は無茶な計画であると言わざるを得ません。ましてや、車椅子の方や足が悪い方は、新幹線の中で取り残されることになります。最終的に自衛隊におんぶしてもらって救出されるのかもしれませんが、この時点で設計を間違えています。
 世の中には、関越トンネル(上越新幹線の場合は大清水トンネル)のような長いトンネルも存在しますが、これが成り立っているのは、上越新幹線でこれほど長いトンネルは他に存在しないからです。もしトンネルの中で新幹線が止まる事故があったとしても、同時に何本も巻き込まれるようなことはありません。が、リニア中央新幹線では、ほとんど全線で長いトンネルとなっているため、救出に行かなければならない車両が同時に複数台発生してしまうという問題点があります。
 我々は震災大国に住んでいます。能登半島のような海と空がある空間でも救出に手こずっていることを考えれば、トンネルの中で孤立している新幹線の乗客をそう簡単に助けられる環境にはありません。我々は今までの数多くの震災で、一体、何を学んできたのか。よく思い出す必要があります。


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