【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#44)。
昨日は「NHKから国民を守る党」の臨時総会なるものが開催され、自分がどれだけスゴい人間なのかをアピールしたい立花孝志がその様子を生中継していたのです。すると、この総会で立花孝志が自らの政党の議員たちに「参院選に挑戦するから現職の議員は1人130万円を党に払え」と言い出し、NHKの受信料どころではない巨額の費用を取り立て。もちろん、これには所属議員たちも大混乱。「アホがアホを集めて政党を作るとこうなっちゃうんだな」というのが見事なまでに可視化されていたので、僕は思わず、このアホアホ中継を肴に酒とシースーをいただいてしまったのでした。とても美味しかったです。
■ 突然の130万円払えに混乱するN国議員
荒川区から立候補し、間違って当選してしまった夏目亜季さんは、28歳の地下アイドルです。まったくと言っていいほど無名だったため、アイドル好きのオッサンですら知る人ぞ知る存在なのですが、さまざまな難病と闘っていらっしゃる「闘病アイドル」という側面をお持ちなので、頑張る姿を見て心を動かされるファンもいたようです。もしも彼女がアイドルのままだったら、僕も遠くの方から応援していたかもしれないのですが、彼女は今、荒川区議会議員です。クソみたいな議員に対しては、女性だろうと、アイドルだろうと、闘病していようと、そんなのは関係なく厳しいスタンスで論じなければなりません。立花孝志に勧誘されるがまま、うっかり政治家を始めてしまったのかもしれませんが、政治家になってしまった以上、これは避けて通れない道なのです。
これからどんどん選挙分析レポートを出していく中で、もちろん、荒川区議選も取材済なので、やがてレポートを出すつもりなのですが、荒川区は葛飾区や足立区などと同様、東京23区の中でも特に年収が低いエリアとして知られており、荒川区は区民の平均年収ランキングで20位の345万円。ちなみに、立花孝志が当選してしまっている葛飾区は22位で区民の平均年収333万円、5月26日に区長選と区議選が行われる足立区が23位で平均年収324万円となっています。参考までに、1位の港区は平均年収が902万円となっているので、どれだけ差があるのかが一目瞭然だと思います。年収が低いということは、NHKの受信料を払うのもキツイわけですから、あんまり深く考えずに夏目亜季さんに投票した人たちがそこそこいました。だから、ろくでもない政党から立候補したアイドル気分を抜け出せない女性が議員になってしまったのです。さて、うっかり間違えて荒川区議になってしまった夏目亜季さんにも、立花孝志は容赦なく「130万円払え」と言っています。もともとアイドルとしてそんなに売れていたわけでもない夏目亜季さんが、たくさんお金を持っているとも思えないので、いきなり「130万円払え」と言われて「わかった!」となるはずがないのです。なので、この総会の後に夏目亜季さんは、このようなツイートをしていました。
参院選のために、当選させていただいたものの新人議員がまだ給料もらってないなか、130万円党にお金を貸すのは正直きついのが本音です。皆ならどうする? これはこの党の全員の議員に課された任意と言う名のほぼ強制のようなものですが、しょっぱな金欠。銀行に借りるなんて初体験。どうすべき?
実はこれ、答えはめちゃくちゃ簡単で「NHKから国民を守る党を辞める」です。多くの一般ピープルにとって130万円は大金です。130万円の車を買うにしても、だいたいの人はローンを組むわけで、一括で買える人はセレブです。そもそも「NHKから国民を守る党」から立候補して議員になったような人たちは、その多くがニートみたいな暮らしをしていた人たちのため、普通の会社で働いて年収1000万円も稼ぐほどの能力はありません。なので、夏目亜季さん以外にも一括で130万円を用意できる人たちはほとんどおらず、多くの議員が夏目亜季さんと同じような悩みを抱えていることでしょう。しかし、普通に考えてみてください。もし自分の彼氏が「会社をやりたいので130万円貸してほしい」と言ってきたら、「わかった」と言ってお金を貸すでしょうか。そんなことを言ってくる結婚詐欺師の話をよく聞きます。友達から借金で苦しんでいると相談されて「わかった」と130万円を貸すでしょうか。彼氏や友達にさえ「130万円を貸す」というのは非常に高いハードルがあると思うのです。そんな大金をよく知りもしない立花孝志という男に託し、そのお金が返ってくるかどうかもわからないのですから、こんなに危険な話はありません。もし130万円があったら何ができるでしょうか。世界一周旅行に出かけ、思い出を作りながら、その見識を広げることもできるでしょうし、クローゼットに入りきらないくらいの服やバッグを買うこともできるでしょう。「NHKから国民を守る党」は、その名前こそ「国民を守る」と言っていますが、実際は、NHKの受信料を不法に踏み倒させているだけです。かつて高速道路をタダ乗りする「フリーウェイクラブ」なるものが存在しましたが、そのNHKバージョンだと思っていただければ分かりやすいです。しかも、立花孝志は「裁判に勝った」と謎の勝利宣言をしていますが、実際のところはNHKに有利な判例を作ってばかりで、実際にはNHKをぶっ壊すどころか、NHKをサポートしている無能ぶり。それでいて、一生分のNHKの受信料より、彼らが選挙の時に支払った供託金よりも高い130万円を一括で払うように言われているのです。どこの悪徳商法でも見ているのかのようです。
立花孝志の参院選挑戦のために6月末までに130万円を一括で貸さなければならない。言葉の上では「貸す」ということになっていますが、この130万円が「任意」と言いながら実際には「強制」と言ってもいい状態であるように、「貸す」と言っても返ってくる可能性は極めて低く、お金を貸してもらう時でさえ「130万円も用意できないほど無能なのか」と罵られるのに、いざお金を返してもらう時に「返してください」と言ったら何を言われるでしょうか。きっと「NHKをぶっ壊そうとしているのに、オマエだけ一人でカネカネ言うな!」と言われて終わりでしょう。「こんな大事な時に払う金はない」とか言われて、130万円はお布施だと思って諦めるしかないのです。つまり、これは単なる「上納金」です。実際、参院選挑戦を表明した記者会見でも「上納金」という単語が出てきたほどです。朝霞市議を辞任した大橋昌信は、党に上納金を支払うために少しでも議員報酬の高い千葉県柏市に引っ越し、8月の柏市議選に挑戦するのだそうです。本来、議員というのは区民のために働き、その報酬を税金からいただくものですが、夏目亜季さんがこれからやろうとしていることは、区民のためではなく、立花孝志のために、荒川区議としてなるべくたくさんの議員報酬を納めること。夏目亜季さんは立花孝志のための駒に過ぎないということです。いきなり大きなお金を動かせと言われているので、恐怖や動揺があるのは当然です。かつてそれなりにセレブだった僕ですら、いきなり「130万円を払え」なんて言われたら混乱します。しかし、これもよく考えてみてください。もし、いきなり「一括で130万円払え」なんて言い出したら、きっと仲間の議員たちが困ることぐらい容易に想像できるはずです。想像できないのだとしたら、よほどの無能ですよね。「参院選を見送ってもいいのではないか」という議論は一切なく、自分のやりたいことを実現するためには所属議員が困ってもいい。そんな考え方を平気でできてしまう人間が、トップとして高い能力を持っていると言えるでしょうか。そもそも所属議員にすら配慮できない人間が、市民や国民のために何か仕事をできるはずがありません。つまり、立花孝志には人々の役に立つようなことは何一つできやしないということです。実際、NHKの受信料問題で困っている人のためにやっているんだと言っていますが、携帯のワンセグ裁判だって、NHKから訴えられて戦っていたのではなく、自分たちからNHKに対して裁判を仕掛けて、返り討ちに遭って「携帯でも受信料が必要」という最高裁の判決を導き出しているのです。立花孝志や大橋昌信が仕掛けなければ、わざわざこんな判決が出ることもなかったのに、自分たちで判決を出しに行っているのですから、これはNHKに対するサポート以外のナニモノでもなく、これから「テレビの映るスマホを持っている」というだけで受信料を支払わされる人を増やすだけです。「NHKから国民を守る党」がそういう政党であることを調べもせず、立花孝志に勧誘されるがままに立候補し、そして間違って当選してしまい、130万円の上納金を請求されている。未成年の女の子が騙されているというのであれば、みんなで協力して被害に遭った女の子を救おうという動きになるかもしれませんが、夏目亜季さんは立派な大人です。冷たいようですが、この問題を解決するのは自分自身でしかありません。「支払わないと党内での人間関係が悪くなる」と心配しているようですが、しょせん、立花孝志のケツの穴を舐めるような無能しかいないのですから、そんな人たちとの人間関係なんざ、今後の人生において1ミリも得はありません。立花孝志は「もしお金を払わないから離党すると言ったらボロクソ叩く」とか言っていますが、恐れることはありません。なにしろ、僕は立花孝志の政党にも所属していなければ、上納金を支払う立場でもありませんが、ただ立花孝志を批判しただけでスラップ裁判まで仕掛けられ、とっても頭の悪いN国信者からヤイヤイ言われています。それでも、この混乱を笑いながら見て、酒を飲んでシースー食って、高見の見物です。どうせ「NHKから国民を守る党」なんていう恥ずかしい政党から立候補しちゃった黒歴史が残り続けることには変わりがないのですから、深みにハマる前にとっとと脱出した方がいいのです。荒川区にも病気や障害で困っているけれど、十分な福祉が行き渡っていない人たちはたくさんいるはずです。こちらは明日の命にも直結する話なので、NHKの受信料なんかよりも深刻なケースもあります。NHKから国民を守る党は「NHK問題以外はやらない」と宣言している政党ですから、病気なのに福祉が行き渡らずに死んでしまうかもしれない人がいても「何もしない」という政党です。本当にそれでいいのでしょうか。困っている人たちのために議員として一生懸命働いていれば、きっとNHKから国民を守る党なんかを離党したって、荒川区の人たちに愛され、必要とされることでしょう。立花孝志の駒になるより、よっぽど素敵だと思いますが、いかがでしょうか。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
いくら夏目亜季さんがアイドルで、僕がかわいこちゃん好きだからって、ちょっと優しすぎないかと思うかもしれませんが、実は、夏目亜季さんは僕の「推し」の女の子の友達です。なので、夏目亜季さんが不幸になるということは、僕の「推し」の女の子が悲しい想いをすることになるので、推しメンを悲しませないことがファンの務め。ろくすっぽ役に立たない夏目亜季さんのファンを尻目に、本当に男気溢れるファンなら、間違った方向に進まないように一声かけるのが当然だということで、あえて僕が火の中に入ろうと思います。夏目亜季さんはまさに今、運命の分かれ道に立たされていると思っています。このまま悪徳カルト政党にハマるのか、それとも、困っている区民のために働く荒川区議アイドルとして新たな道を進むのか。NHKから国民を守る党がどれだけカルトな政党なのかは、NGT48の山口真帆さんに対する態度一つで証明されています。
■ NHKから国民を守る党・動向チェック(#26)
■ NHKから国民を守る党・動向チェック(#27)
■ NHKから国民を守る党・動向チェック(#28)
これを読んでなお立花孝志のことを支持できるような奴は、アイドルもアイドルファンもやめちまえです。まるでNHK問題に取り組むことが正義のように語っていますが、本当は正義のためにやっているわけではありません。ただ己の虚栄心を満たすため。本当はこんな人間は議員をやってはいけないし、有権者もどうかしているのです。ちなみに、N国信者が「1000万円以上の年収をもらえるのに130万円ごとき払えない奴は議員なんか辞めちまえ」という論調で発言を繰り返していますが、月10万円ずつ払うならともかく、2ヶ月以内に一括して130万円払うというのは無理があります。「貸してくれる友達もいないのか?」と言うかもしれませんが、そんな大金を貸してもらえる友達なんているはずありません。銀行からお金を借りるにしても納税実績は必須であり、最近まで無収入に近かった人間には貸してもらえません。そういう人が借りられるのは、せいぜい消費者金融です。アコムやプロミスをハシゴして、どうにか130万円を工面するしかないでしょう。それでも借りられない場合に紹介されるのは最終的に「カウカウファイナンス」かもしれません。「カウカウファイナンス」なら議員だって言っただけで130万円くらいは貸してくれることでしょう。返済の取り立ては厳しいので、パパ活ぐらいでは済まされないかもしれませんが。[了]