【選挙ウォッチャー】 伊勢崎市議選2022・分析レポート。
4月17日告示、4月24日投票で、群馬県の伊勢崎市議選が行われました。定数30に対して40人が立候補する激戦で、個性豊かな新人が立候補していましたので、見どころが多く、非常に面白い選挙だったのではないかと思います。
伊勢崎市は、昨年1月の伊勢崎市長選がかなり面白かったのですが、落選した2人は伊勢崎市議選でのリベンジを目指しており、この2人の候補を見るだけでも十分面白いです。
今回の伊勢崎市議選の見どころは、「伊勢崎のジャンヌダルク」を自称しているネトウヨのオバサンの当落に加え、「世界のヨモギサワ」が供託金没収を免れるのかどうか。N国テイストの「北関東オンエア」というYouTuberが供託金没収ラインを超えられるのか。共産党が議席を守れるのか。栗原真耶さんが市長選に再挑戦できるくらいに票を取れるのか。
それ以外にも注目すべき候補がおり、文字数多めのレポートになりそうですが、伊勢崎市には2日入りましたので、充実した内容になっております。
■ N国戦術ズッコケ3人組は「ステルスN国」
今回の伊勢崎市議選には、人気YouTuber「東海オンエア」のパクリ集団である「北関東オンエア」が立候補していました。本家の「東海オンエア」のメンバーは、元AKB48の峯岸みなみさんとの交際が報じられるほどの人気ぶり。一方、活動して半年ほどになるという「北関東オンエア」は、動画の再生回数が2ケタという動画も多々見られ、広告収入を得るための条件となっている「チャンネル登録者数1000人」を超えられていません。つまり、YouTubeで生きていきたいけれど、広告収入が1円も得られない、趣味で動画をアップしているだけの「おちゃらけた男たち」です。
実は、北関東オンエアのメンバーをはじめ、彼らをサポートしている人たちも「ゴリゴリのN国信者」でした。ご覧の通り、1週間前までは春日部市議選の酒谷和秀の選挙ポスターを貼る様子をTwitterでアップするほど。この選挙を手伝っていたのは町田紀光であり、町田紀光に話を聞くと「1ヶ月ほど前にN国党を辞めた」と話していました。この時は「なるほど、N国信者を卒業したのか」と思って見てやることにしたのですが、家に帰り、参院選の立候補者をまとめていると、今度の参院選で東京都選挙区から町田紀光が立候補するとの情報がありました。どうなっているのかと思って町田紀光のTwitterをチェックしてみると、驚いたことに、町田紀光は今もN国信者であり続け、北関東オンエアにネガティブな情報を流されないように「嘘をついていた」ことが判明。なので、町田紀光から聞いた情報はほとんど嘘である可能性が出てきました。
伊勢崎市内をN国党の政党カーが走っていることは確認済です。候補者もいないのに政党カーを走らせているのは珍しいと思いましたが、どうやら北関東オンエアも「ステルスN国」であると考えていいと思います。実際、町田紀光は自身が「ステルスN国」として立候補していたこともあり、今度から町田紀光がカラんでいる場合には、すべて「ステルスN国」とみなした方が良いと思います。そして、今度から町田紀光の言うことは一切信用しません。とんだ嘘つきクソ野郎です。
町田紀光が「N国党は参院選の後にも崩壊する」と言っていたので、なんだかワクワクしてしまったのですが、冗談じゃありません。僕のワクワクを返してもらいたいものです。確かに、N国党が参院選の後に崩壊する可能性は十分にありますが、話の内容は半分程度に聞いておいた方がいいと思いました。
それにしても、嘘はよくありません。町田紀光のTwitterを見たら、ゴールデンウィークはN国党のニコニコ超会議のイベントにも参加するし、選挙期間中はN国党の政党カーの写真をつけて紹介し、「NHK撃退シールを配布した」と報告するほど、現在進行形でN国信者としての活動を続けておりました。
YouTuberとして有名になりたい。「北関東オンエア」という名前を多くの人に知ってほしい。これが今回の伊勢崎市議選に立候補した動機なので、当選した後のことは何も考えていませんでした。どうせ落選するし、売名が目的なので、市議になってやりたいことは特にないのです。
人々の暮らしを良くするために立候補したのではなく、売名の道具として選挙を利用し、立候補する。これもまた「立花メソッド」であると言えるかもしれませんが、どうしてこんなに酷いことができるのかと言うと、彼自身が政治に無関心であって、かつ、選挙を冒涜してしまうくらいに教養がないからです。
しかし、本人たちの満足度は高かったようです。
選挙を売名に使う方法で200名ほどだったチャンネル登録者は500人を超えました。チャンネル登録者数をざっくり2倍にする効果はあったようです。あとは30万円が返ってくるかどうか。
ただ、いくら選挙を使って売名をしても、実力がなければアクセス数を維持することはできません。もっと言えば、チャンネル登録者数が1000人を超えたところで、受け取れる広告収入は微々たる金額となり、「東海オンエア」のようなウハウハの生活には程遠いというのが現実です。かなり厳しいことを言ってしまえば、「北関東オンエア」はコンテンツとして成立できていないぐらいの「つまらなさ」です。もはや褒め言葉的な意味で、ここまでつまらない奴は滅多にいないので、もう「つまらない」ことをウリにした方が数字が伸びるのではないかと思うくらいに「つまらない」です。真面目に語ってしまいますが、「めちゃくちゃ面白い」を目指すのはすごく大変なのですが、「めちゃくちゃつまらない」を目指すのも同じくらい大変なのです。しかし、「つまらない」ことにかけては才能があるレベルで、極限レベルの「つまらない」を実現しています。これは逆にスゴいことだと思っています。
さて、今回の「北関東オンエア」が展開したN国作戦は成功したのかと言うと、僕は「失敗」だったのではないかと思います。というのも、蓋を開けてみれば、142票しか取れず、供託金を没収されることになってしまったからです。これでポスター製作費や選挙カーのレンタル代なども戻ってきませんので、最終的な出費は30万円では済まされません。選挙カーの看板などを考えると、ざっくり50万円弱はかかっているはずで、50万円あったらストレートにチャンネル登録者を買ってしまった方がマシだったのではないかと思うほどです。
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