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【選挙ウォッチャー】 山梨県知事選2019・分析レポート。

フィリピンでは、麻薬の撲滅を訴えて秘密警察を組織し、麻薬に携わる者を片っ端から殺害していったゴリゴリの市長が、今では大統領になりました。無慈悲に人を殺していることから、たびたび人権問題として問われることもあるのですが、殺さなければ殺されてしまう。コロンビアの選挙では、いまだに麻薬の撲滅を訴える候補者が出ると、選挙期間中に殺されてしまうということが起こっています。僕はこの「選挙ウォッチャー」という仕事が、日本のみならず、世界に広がっていくといいと思っていますが、できる国とできない国があるのではないかと思っています。さて、どうして冒頭からこんな話をしたかと言うと、今回の山梨県知事選、気をつけないと命を狙われる危険があると言われていたからです。この日本で命が狙われるなんてことがあるのかと思うかもしれませんが、他の地域に比べて圧倒的に高いのが「山梨」という土地です。同時進行で北九州市長選も追いかけているので、年明け早々からかなりハードコアなことになっているのですが、本物の実弾が飛び交うかもしれないと危機感が高まっているのは、それだけ山梨県知事選の選挙情勢が「接戦」であり、この選挙の結果が日本の未来を大きく左右する話になるからです。

後藤 斎   61 現 立憲・国民推薦
長崎 幸太郎 50 新 自民・公明推薦
米長 晴信  53 新 酵素ドリンクの宣伝
花田 仁   57 新 共産党推薦

先月行われた佐賀県知事選宮崎県知事選を見ても分かるように、多くの知事選が「自民・公明推薦の現職オジサンvs幸の薄そうな共産党のオジサン」という構図になっている中で、今回の山梨県知事選は4人が立候補する派手な戦いになっており、民進党系の現職に、自民・公明推薦のゴリゴリのオジサンが天下を取りに来るという、まさに「平成最後の戦国物語」みたいな感じに仕上がっていました。一説によると、もしも自民党がこの山梨県知事選で負けるようなことがあると、「二階俊博幹事長の賞味期限が切れた」と判断されるようで、自民党の中で一気に力を失う可能性が指摘されています。安倍政権の中の勢力図が一気に変わるかもしれない選挙となっており、年明け一発目からだいぶ面白い選挙になっています。


■ 亥年を占う最初の選挙

政治の世界では「亥年の選挙は荒れる」と言われています。12年に1回来る亥年ですが、まさに2019年が「亥年」です。ちなみに、今から12年前と言うと2007年ということになるのですが、この年に行われた参院選では、郵政造反組の復党、年金記録問題、官僚の不祥事などが相次ぎ、自民党が歴史的な大敗。この時は安倍晋三さんが1回目の総理大臣をやっていた頃でした。24年前となる1995年は、阪神大震災やオウム真理教が起こした地下鉄テロ事件などがあり、政治も社会も大混乱している時期でした。今年も自民党が大敗するような大事件が起こるのではないかという声もあるわけですが、4月の統一地方選、7月の参院選を控え、今年を占う意味でも山梨県知事選は一つの指標になると考えられていたのです。


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