【選挙ウォッチャー】 新潟県知事選2022・分析レポート。
5月12日告示、5月29日投票で、新潟県知事選が行われました。
今から4年前、「ハッピーメール事件」で米山隆一知事が辞職を表明したため、急遽行われた新潟県知事選が行われ、自民・公明推薦の花角英世さんが当選しました。
あれから4年が経ち、米山隆一さんは昨年10月の衆院選で新潟5区から立候補し、元新潟県知事の泉田裕彦さんを撃破。なんと、政治家として返り咲くことに成功しました。今回は「花角県政」の1期4年を評価するような選挙となっていますが、参院選の公示まで1ヶ月を切っていることから、参院選の前哨戦としても注目されています。
前回は、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重だった泉田裕彦さん、米山隆一さんの系譜が崩れ、再稼働に向けて大きく舵を切られてしまうのではないかと心配されたこともあり、それなりに大激戦となりました。
ところが、花角県政の1期4年は、表向き、そこまで柏崎刈羽原発の再稼働に積極的であるようには見えなかったため、ほとんど反発を生むことはなく、「慎重に考えてくれている」というイメージに。近頃の原油価格の高騰の影響もあり、ネトウヨを中心に原発の再稼働を求める声が次第に大きくなっていることもあり、現職・花角英世さんには全体的に追い風が吹いていたとみられます。
■ 新潟県選挙区は森裕子さんが大ピンチ
今年の参院選で、新潟県選挙区は自民党の小林一大さんと、立憲民主党の森裕子さんが戦います。2016年は、現在の新潟市長である中原八一さんと無所属の森裕子さんが戦い、わずか2279票差の大激戦で森裕子さんが勝ちましたが、こうなったのも「幸福実現党が立候補してきたから」という不思議な巡り合わせが原因です。
今年は、参政党やNHK党が立候補してくるものの、森裕子さんはかなりの苦戦が強いられるのではないかと予測されています。というのも、あまりにも新潟県知事選の結果が悪かったからです。
今回の新潟県知事選は、どんなに接戦になろうと、花角英世さんが勝つだろうとは思っていました。しかし、まさかトリプルスコア以上の大差をつけることになるとは思いませんでした。花角英世さんが特別に優れた実績を出したとも思えないし、肝心の新型コロナウイルス対策にしても、特に優れた評価を与えられるものでもありません。もっと言えば、原発再稼働については慎重と言われながらも、水面下で着実に押し進めようとする動きは垣間見えます。にもかかわらず、ここまで無党派層に大絶賛されているのは、完全に「野党への期待感がない」ことを示しているのではないかと思わずにはいられません。
これだけ何もしていなくても岸田政権の支持率は高く安定しており、今度の参院選でも「自民党優勢」という傾向にありますが、新潟県知事選を見る限りにおいては、自民党にかなりの追い風が吹いている状況だと言えるのではないかと思います。ロシアによるウクライナ侵略、物価の高騰、景気の回復遅れなどが、逆に岸田政権への期待感につながっている形です。
参院選の各都道府県の選挙区については、予測レポートで詳細をご確認いただきたいと思います。
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