【選挙ウォッチャー】 品川区長選2022・分析レポート。
9月25日告示、10月2日投票で、東京都の品川区長選が行われ、なんと、6人が立候補する大激戦となりました。一応の争点としては、「羽田空港の新飛行ルートの是非」ということになろうかと思いますが、既に飛んでしまっていることもあり、あまり関心の高そうなテーマではなくなってしまいました。なので、ほとんど政策というより、候補者の雰囲気や親しみやすい選挙運動をしているかどうかが勝負の決め手になるのではないかと思っています。
結論から言うと、実はこの選挙、当選者が出ませんでした。あまりに票が割れてしまったため、誰も有効投票数の4分の1に届かず、全員が落選ということになり、再選挙が決まりました。「選挙ウォッチャー」としては、同じ選挙を伝えることで売上が伸びるだけなので、そんなにヘコむ話ではありませんが、選挙を戦っている人たちにとっては出費が2倍近くに増える話なので、戦える人と戦えない人が出てしまうかもしれません。
人生を賭けた品川区長選は、次の再選挙こそ最も面白いと思いますが、それを楽しむためにも、事前にこのレポートを読んでおいた方が良いと思います。
■ 大西光広候補の主張
大西光広さんは、かつて「みんなの党」に所属していた元品川区議です。3期にわたって品川区議を務めたそうですが、2011年頃から体調不良を理由に議会を欠席するようになり、かれこれ3年近くの間、議員報酬だけをもらい続けていたと住民がブログで訴えています。
今になって表面化していますが、「みんなの党」に所属していた人たちを見ると、御大である渡辺喜美がNHK党と会派を組んでいたことからもお察しの通り、めちゃくちゃヤバい人ばかりで、大西光広さんも例外ではないと感じました。
今回の品川区長選には、「品川に維新を起こす会」という政治団体から立候補していますが、これは「日本維新の会」とは無関係です。しかし、区議補選には「日本維新の会」が立候補しているので、区長選の「品川に維新を起こす会」を見て、「日本維新の会」ではないかと投票してしまう人も少なからず存在します。れいわ新選組の山本太郎に投票しようとして、NHK党の山本太郎に投票してしまった人たちです。まさに「NHK党」と同じ「バカを釣る戦略」を採用しています。
実は、この「日本維新の会と勘違いさせて当選する」という戦略は、かつて尊師・立花孝志が議員になってしまったことがあるでお馴染みの葛飾区議選で成功しており、ここでも「維新」を名乗って票を獲得する狙いが透けて見えます。
さて、肝心の公約はどうなっているかと言うと、「品川区の中学校の制服にユニクロを導入する」や「高齢者に学校給食の配食を再開し、ヤクルトの配布も再開する」など、具体的な企業名や商品名を出して訴えています。なぜ「ユニクロ」なのか、なぜ「ヤクルト」なのかという点には一切説明がありませんが、これでは特定の企業の利益につながる政策をしていると言われても不思議ではありません。が、そもそも「日本維新の会」と「品川に維新を起こす会」の区別がつかず、こんがらがってしまう人たちは、そんな小難しいことは考えません。「ユニクロ着てる!」や「ヤクルトの村神様のホームランがエグい!」で1票です。
昨年の葛飾区議選で、猛烈にヤバい空気を出していた「葛飾に維新を起こす会」の大西順子さんを思い出すと、「大西光広さんもヤバい人なのではないか」という予感がしてしまうので、どんな人なのかを確かめたいです。なにしろ大西順子さんは、どっぷりと極右カルトを信じている元N国党の佐々木千夏に似た空気感を持っていたので、下手をすれば、何かの宗教の人なのかもしれないと思うほどです。
体調不良は仕方がないにしても、3年間も議員報酬をもらい続け、それでいながら「政務活動費をもっと増やせ!」と主張していたという話は本当なのかを確かめたい。ということで、向こう側から大西光広さんの選挙カーが走ってきたので、会釈をしながら至近距離で写真を撮りました。すると、めちゃくちゃビックリするリアクションを見ることになりました。
存在を確認してもらうために、大袈裟な感じで会釈をしているし、至近距離で写真を撮っているし、「おーい!」という感じなんですが、ガン無視を決め込みました。お笑い芸人の「ナダルと入れ替わっているのか?」と思うほどのガン無視を決め込み、そのまま走り去っていきました。
1人でも多くの人に声をかけて、1票でも多くもらわなければいけない立場なのに、ましてや有権者かもしれないのに、こんなにガン無視を決め込む人も珍しいです。さすがに大きな組織ではないし、今回の品川区長選で当選するのは難しいのでしょうけど、来年4月の品川区議選に向けた布石である可能性がありますので、「どんな人なのか」ということは、改めて住民の皆さんで検証された方がよろしいのではないかと思います。
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